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鬼になる事 ページ39

『ガァッ…アァアッ!!』


Aは口から大量の血を吐き出し苦しみながらぐるぐるとのたうちまわる。


「アハハハッ!まるで毒を得たネズミのようにもがき苦しむじゃない!汚らしくて滑稽だわ!」

「可哀想に…鬼にならず俺に食べられれば幸せだったろうに。」

「黙っていろ童磨…鬼になる覚悟で無惨様探していたのだ…それ相応の対価を無惨様は与えた…耐えられぬのであればそれだけの覚悟だったと言う事だ。」

「おや、もしかして黒死牟殿、気に入っちゃってる?」

「…。」


ボトッと音がすると、童磨は己の身体を下から眺めている事に気づく。


「もぉ、黒死牟殿ったら、いくら図星だからって照れ隠にしては物騒すぎやしないかい?」

「次は…その減らず口ごと斬ってやろう…。」

「おー怖い…それよりも無惨様。何故この娘を鬼にしようとお思いになられたんです?」

「なんだ、私のやる事に不服を申すと言うのか?」


威圧的な無惨の視線に童磨は頭を拾い上げながら否定をする。


「滅相もない!俺はただ無駄を嫌う貴方様がわざわざご足労までしてこの娘に鬼になる機会をお与えになった事が不思議でならないのです。」

「ふん…いつもならばお前の煩わしいその口ごと潰しているところだが、今日の私はすこぶる気分がいいからな、お前の放言に乗ってやる。」


無惨は童磨の頭を手に取ると、ぐっと親指を眼球に押しつけた。


その行動に意味があるのかと問われればあるわけではない。
ただいつも気にくわない顔が己が手で歪むのを見て楽しんでいる程度のものでしかない。


「他の鬼を通して見えたこの娘に住う鬼を見たくなった、それだけだ。」


まるで酸素を求めるように無惨に手を伸ばすAを見れば、プツンと糸が切れた人形のように転がり動く事はなかった。


「やはりだめだったか。」

「なぁんだ、つまらないの。」

「では私が頂いて壺に飾っても?」

「あぁ・・・好きにしろ。」


柄にもなく少し期待をしていた無惨はつまらなそうにため息を吐き背をむけ歩き始める。

玉壺は上機嫌に壺から体を伸ばしAを吟味している時、Aの瞳がカッっと覚醒したように見開く。


「ヒョ?」


その瞳が玉壺を捉えるや否や、黒い業火が爆発するように立ち込み玉壺の上半身が生々しい音を立てて床に落ちた。

オハヨウ→←余興



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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時

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