目覚め ページ29
「姉上！見てください！こんなに立派なお芋をいただきました！今日はお芋の料理が沢山食べられますよ！」
ぼんやりと流れるソレはまるで走馬灯のように流れていた。
「姉上！焼き芋が出来ました！半分こしてっアチチッ！」
あぁ・・・杏寿郎、そんなに慌てなくても・・・・
『お芋は・・・逃げないよ。』
覚醒する意識のなか、自分を覗き込む存在の輪郭がはっきり浮かぶ。
『・・・え？』
目の前には小さい男の子と女の子が私を覗いていて、二人は数回瞬きすると私を置いてどこかに行ってしまった。
『ここは一体・・・イテテテっ』
起き上がると刺されたわき腹が痛み、思わず蹲ると自分の服が隊服じゃない事に気付く。
『あれっ隊服はックゥー・・・ッ』
「良かった！目が覚めたんだね！」
『へっ？』
痛みに悶えていると頭上から声がして顔を上げる。
すると先ほどまで私の顔を覗いていた子供と共に母親と父親らしき人が立っていた。
「偶然炭売りの帰りに君が倒れているのを見つけてね。まだ息があったから勝手ながら連れて帰って治療をさせてもらったよ。」
そう物腰が柔らかく口にしたのは、少しやつれた見た目の耳飾りを付けた父親のほうだった。
彼の名前は竈門炭十郎さん、奥様の名前は葵枝さん。
私を覗き込んでいた男の子のほうが炭治郎君、女の子が禰豆子ちゃんというらしい。
「体のほうはどうかな？葵枝からわき腹に刺されたような傷があったと聞いたけど、他に痛むところはあるかい？」
『いえ・・・特には。』
「そうか、それなら傷が癒えるまで家にいるといい。」
『そ、そんな！助けていただいたのに、これ以上お世話になるのは・・・。』
「私は君の意見を尊重してあげたいけど、外は生憎の吹雪だ。流石の私もこの吹雪の中君を、歳の若い娘を歩かせるなんて、心配で夜しか寝れないよ？」
『いや、それってちゃっかり寝れてるのでは？』
恐る恐るツッコミを入れると炭十郎さんは小さく笑みをこぼして冗談だと言う。
「焦る気持ちはわかるが、体調管理も仕事のうちではないかな？鬼狩り様なら、なおのこと・・・ね。」
『え、炭十郎さんは鬼殺隊をご存じなんですかっ？』
「知っている・・・と言ったらいいのか、色々と所縁があってね。」
そう言って炭十郎さんはそっと自分の耳につけている耳飾りを優しく撫でた。
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あまね(プロフ) - 続き気になる！ (9月29日 0時) (
レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ！！少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います！ (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます！続きもがんばってください！ (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーたん | 作成日時：2020年5月13日 14時
