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俺達の姉上 ページ24

俺がボロボロと涙を流すと姉上は肩を掴んでいた手を離してそっと打たれた頬に手を伸ばした。


『ううん、杏寿郎が無事ならそれでいい…お姉ちゃんの方こそ貴方を打ってしまったことと、怖い思いをさせてしまってごめんなさい。』

「ううっ…わぁぁあんっ!!」

『帰ろう?父上と母上、千寿郎も待ってる。』


涙ながら頷くと姉上は背中をむけてしゃがんでくれた。
久々の姉上の背中に飛びつく。


『…いつのまにか、こんなに大きくなってたんだね。』

「グスッ…姉上?」

『ううん、帰ったらみんなにごめんなさいしようね?』

「は、い。」


家に着くなり俺の姿をみた母上は口を押さえて泣き崩れた。


「良かった…貴方が無事でっ」

「いいか杏寿郎、誰一人とてお前を邪険に思った事など一度もない。…ただ、今の千寿郎は一人では何もできない無知で非力な存在だ。
俺たちが手を差し伸べお前と同じ様に、生きてゆく術を教える大事な時期なんだ。」


父はそんな母を支えながら叱るわけでもなく、ただ優しく言葉を述べた。


「Aだって、本当はお前を打つだなんて事したくなかったハズだ。
しかしAはもう杏寿郎だけの姉上ではなく、杏寿郎と千寿郎、両方の姉上になったんだ。
どちらかを見放すなんて事、出来るわけがない。
彼女の中でも葛藤があったハズだ、それでもお前を叱ったのは、姉としてお前を愛しているからわかって欲しかったんだよ。」

「…。」


繋がれた手に力が困り、顔を上げれば姉上は優しく俺に微笑み返した。


「お前達は掛け替えのないキョウダイなんだ、だから杏寿郎…お前も千寿郎の兄として、手を差し伸べてはくれないか?」


俺は強く頷いて父上と母上に抱きついて謝った。


「ごめんなさいっごめんなさいっ!」

「良いのです、私達も寂しい思いをさせてしまってごめんなさい。」

「あぁ、これからはみんなで支えて行こう。」


俺は涙を拭って姉上の方へと振り返って勢い良く抱きついた。


『杏寿郎?』

「姉上…大っ嫌いなんて言ってごめんなさい…本当は大大大ッだーーーい好きです!」

『っは…わぁぁあんっよがっだぁあ、杏寿郎に嫌われたままどうじようっでおぼっで!』

「あ、姉上!?」


うわぁぁあんっと赤子の様に泣く姉上がどこかたまらなく愛おしく、少しだけ…姉上が俺に過保護になる気持ちが分かった様な気がした。

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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時

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