任務 ページ17
『ここが、鬼の被害を受けている集落か。』
見たところ、集落自体は警戒している様子が見えない。
『兎に角、まずは集落の形状を把握でもしておくかな。』
「真面目カ!」
『鬼の潜みやすい場所を目星つけるのは基本でしょうが。』
コツンッと鎹鴉の額部分を突けば「イテッ!」と言うもんだからちょっと笑ってしまった。
暫くして集落の形状を見た後、Aは地面に手を突いて目を瞑った。
「ハラデモ壊シタカ?」
『違うよ、鬼の気配を探知してるの。この集落の形状は把握したから、あとは居場所を突き止めるだけ。』
「ソンナノデ何ガワカル?」
『私ね、昔弟を火鉢の熱から守った時から…だと思うんだけど、いつも見えなかったものが感覚的に見えてるんだと…思う。』
「見エナカッタモノ?」
『うん、生きてるもの皆魂の色があるみたいで、鬼はね…凄く禍々しい色をしてるんだ。』
頭の中で集落の1番人気のない箇所で赤黒く淀んだものが動くのがわかった。
『いた…六郎は安全な所で待機してて、貴方を助ける余裕なんてないんだから。』
「言ワレナクテモソウスル!」
六郎が飛び去ったのを確認するとAも小さく息を吸い込むとすぐに鬼のいる場所へと向かったのだった。
「い、いやっなんなのっ!!」
「へへへ、若い女だ、しかも稀血っ!これでオレもっ」
鬼が捕らえた人間を食べようとする時だった。
キンッー、と音を立てて木壁へと喉ごと突き刺ささり気絶していた。
『こんばんは、お姉さん。こんな夜更けに散歩なんて無用心では?』
「あ、貴方は一体…っ!?」
『お姉さんはさ、わざわざ死ぬ相手の名前聞くの?物好きだね。』
ニンマリと歪められた右目が怪しく揺らめき、女性は気味の悪さを覚える。
「は、はい?」
『逃げるなら早く逃げたら?鬼が起きちゃう前にさ、それとも・・・食べられたいなら止めはしませんよ?』
「ひっひやぁぁあっ!!」
ギロリとAに睨まれ、女性はあまりの怖さに転びながらその場から逃げる。
その姿を確認するとAは目を覚まし始めた鬼に顔を近づけた。
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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時