刀 ページ14
選別から帰って数日、Aは稽古の合間を縫っては書庫に困り書籍を読みあさっていた。
『・・・やっぱり何度読み直してもどの書籍も鬼についての情報があまりにも少なすぎる・・・鬼舞辻無惨について何一つ情報がないなんて。』
ぐしゃっと怒りまかせに持っている手に力がこもり開いている頁が歪む。
「A、ここにいたのか。勉強熱心なのは良い事だが、こんを詰めすぎてはいけないぞ？」
『ち、父上っ！杏寿郎と稽古をしていたのでは！？』
後ろから覗かれ声をかけられるも、Aは慌てて振り返り本を背に隠す。
「あぁ、していたんだが予定が変わってな、お前の担当の刀鍛冶が来た。客間に来なさい。」
『はっはい！』
父に連れられ客間に向かえば、そこにはひょっとこのお面をつけた人が座って待っていた。
「待たせてすまなかった、娘のAだ。」
『れ、煉獄Aです！』
「これまた綺麗な娘さんだ。始めまして、私は貴方の担当の刀鍛冶の黒田です。」
お互いに深々と頭を下げると、お茶を持った杏寿郎が客間を訪れた。
「あ、えとっお茶です！」
「これはかたじけない。ふふ、お父様に似て立派な顔立ちだ。」
「ありがとうございますっ！！」
褒められて嬉しかったのか、杏寿郎は頬を少し赤くしながらはっきりとした口調でお礼を言った。
「早速ですが、こちらがAさんの刀です。女性とお聞きしたので軽くて握りやすいものにいたしました。」
渡された刀は確かに父上から借りた刀よりは幾分か軽く細身の刀だった。
「炎の呼吸をお使いでしたよね？」
『一応は…。』
「でしたら刀身も赤く変わるかも知れませんね。」
『そうだと…いいのですけど。』
刀を鞘から引き抜き前にかざすと刀身は根本から赤く燃え上がるように変わってゆく。
「凄いっ、姉上の刀の色がっ！」
『…つ！？』
しかし直ぐに燃え尽きて炭のように黒く変わり、所々赤い線が走っていた。
「これは…黒刀、なのでしょうか。黒刀にしては、赤みがありますし。」
『この色はなにかまずいんですか？』
「いや、まずいわけではないが…あまり見ないな。」
『えっ、やっぱり不吉なんですか！？』
「そんな事ないですよね！？父上！！」
不安げなAの顔を見上げた杏寿郎は必死な顔に笑顔を貼りつけて槇寿郎に詰め寄った。
「不吉、というわけではないが…黒い刀身を持った剣士が出世したと言う事例がないのだ。」
そう言って槇寿郎は顔を背けてしまった。
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あまね(プロフ) - 続き気になる！ (9月29日 0時) (
レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ！！少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います！ (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます！続きもがんばってください！ (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーたん | 作成日時：2020年5月13日 14時
