序章-2 ページ2
「子供の泣き声に目が覚めば旦那は血を流して倒れていてっ、あっ貴方と同じ服の男性が私を見るなり、私を鬼だとかこの子は鬼の子だとか言って、何を言っているのか全く分からなくてっ！
この子は先月産まれたばかりの人の子なんです！だから私はこの子を守るためにその男性を押しのけてここまでっ」
「…お前を信用するか否かは置いておくとして、鬼がどうやって増えるか知っているのか？」
男の問いに女性は涙ながらに首を横に振った。
「ならば教えてやろう…鬼は一滴の血でも傷口等から体内入ってしまえば簡単に増殖してしまう。
ここ最近付近で鬼の出現の報告が多く来てた…恐らくお前たち夫妻を鬼にしたのも同一犯の仕業だろう。」
「そんなっ！私達が何をしたとっ！」
「犯人の目的は俺達でも理解できない。だが鬼の主食は人の血肉であり…俺の知る限り、お前のように鬼になって間もない者が自我を保ている事例は殆どなく、鬼になる事への疲労と空腹で本能的に血肉を喰らう。」
その言葉の通り、女性のお腹から空腹を知らせる音が鳴ると絶望的な表情を男に向けた。
「そ、んなっ」
「今の所、鬼を人に戻すような薬はない・・・だから俺達鬼殺隊は鬼がこれ以上罪を重ねないように滅すのだ。」
「っ嫌っお腹なんて空いてないっ！！…この子は食べ物じゃないの！何で鳴るのっ！？やめてよっ！」
女性は口からあふれ出る涎を押さえて赤子から目を逸らす。
「今回は不幸にもお前は鬼になってしまった、その証拠が今の状態だ。」
「どうすれば、いいのっ」
「すまない…今の俺にはどうすることも・・・ー。」
「っー！！」
伝えられた真実に女性は目を見開き、近づいた終わりの音に静かにボロボロと大きな涙を静かに流し続けていた。
そして覚悟が決まったらしく、子供を地面に降ろして最期の別れを慈しむかのように指で頬を撫でると涙を流しながらも笑みを浮かべた。
「ごめんねA・・・お母さん、弱くって。」
「・・・いや、お前は立派な母親だった、鬼になってもなお、我が子を愛し守ったのだ。
約束しよう、この子は俺が絶対に死なせない。」
「あり、がとう。」
女性の涙は業火と共に夜の空へと消えていったのだった。
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あまね(プロフ) - 続き気になる！ (9月29日 0時) (
レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ！！少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います！ (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます！続きもがんばってください！ (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーたん | 作成日時：2020年5月13日 14時
