好き、やねん。 (ページ8)

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「…新山先生、！次の小テストっていつでしたっけ、」
『小テスト？ああ、再来週ぐらいのどっかでやりたいな〜。……てか、Aって俺のことにーやんって呼ばへんよな。』
「え……？呼んでほしい、ですか…？」
『いや、別になんでもええけど。なんかみんなに呼ばれすぎてるからAも休み時間ぐらいもうちょっと気楽に接してくれてええねんでって！笑』
「……でも、そういう先生も私のこと苗字で呼ぶじゃないですか。」
『んーーー、…………A？』

新山先生は指を顎に添えて暫く考え込むポーズをした後、私を捉えたかのような視線で口角を上げてそう言った。
その視線がなんだか熱くて、目を逸らせなくて。だけどなんて言っていいかもわからない。

『……ふはは、そない大きな目で見つめられて俺はどないしたらええねん笑そうか、苗字呼び寂しかったんか〜。』

そう言いながらパソコンやバインダーを小脇に抱えて私の机の前まで来た新山先生……じゃなくてにーやん。
私と目線を合わせるように顔を覗き込んで彼は一言言う。

『ごめんな、A？』

その言葉と共ににーやんの大きな手がぽんっと頭に乗っかる。突然の出来事に頭を整理できない私は口をぽかんと開けたまま目の前にあるにーやんの目をずっと見つめていた。

『じゃあ、また後で。』

超が付くほど爽やかだけどどこか可愛らしさの溢れる笑顔でそう言った彼は教室を後にした。

うわぁぁ〜〜〜〜〜、、、、、。

思わず机に肘を付いて顔を手で覆う。

友「A〜！なんしてんの？」
「わ、わぁ……いやあ、ちょっと聞いて、！」
友「な、なになに？？」
「私……あ、あの…新山先生、に、頭ぽんってされてん……」
友「うぇっ、！？ほ、ほんまに…！？！？あのにーやんが、、あの超〜〜タジタジなAに、！？」
「ひ、一言余計やねん！！ほんまやし！！」

さっきの出来事を友達に伝えると"か〜〜〜っ！"とよくわからない高い声を出しながら額を手で押さえた。
今日のSHRはいつもよりも楽しみになったかもしれない。