特等席で見つめていたい。S.niym ページ6
先生×生徒(苗字設定推奨です)
友「ちょっとー！Aーー！早くーー！」
同じクラスの友達に着替えを催促される。そう、次の授業は…体育だ…。
「あ〜〜〜嫌だ嫌だ嫌だ。丸一日数学でいい。」
友「なーに言ってんねん！！数学とかほんまおもんないわ…。早く石井先生に会いに行くで！！」
私達の学年の、体育担当は石井先生。
身長がそこまで高いわけじゃないけど、大きな目と整った顔、かわいらしさ溢れるルックスから想像のできないキレキレのダンスにキレキレのツッコミ。通りでみんな惚れ込んでるわけである。そんな中体育が嫌いな私は石井先生であろうと授業に乗り気になれない日々。
私、体育の次が数学じゃなかったら多分頑張れてないです。
キーンコーンカーンコーン。
「やっと……終わった……。」
友「うわ、次数学やん…。あー、お腹すいた。」
「はよ着替えに行くで〜〜！！！！」
みんなが石井先生を好きなるのはよくわかる。見た目も良いしノリも良いし。
だけど………、私は……。
『おーいそこ、ボタン閉まってへんで〜。』
友「わーんにーやんごめーん！」
『も〜授業始まったら呼び方変えろよ〜。あ、Aおはよう。いや、もうこんにちはか。』
「新山先生…こ、こんにちは！」
"にーやん"。そう呼ばれている数学担当であり私達のクラスの担任の新山先生にゾッコンである。すらっと長く伸びた手足に小さな顔。生徒とまるで友達みたいに接しながらも行事には誰よりも熱く向かい合う。だけども担当は数学で常に自分の考えを強く持っていてすごく真面目なのにどこかボケたがりでお決まりのフレーズは「強い気持ちでやんねん」。
まだまだにーやんと呼ぶ勇気のない私なので今日も苗字で呼ばれています。
「今日は眼鏡にしたんですか？」
『うーん、めんどくさなった！時間も無かったし。』
「新山先生らしいです笑」
『そうか！ありがとう！もうチャイムなるわ！』
新山先生にそう促され時計を見ると残り1分程で授業が始まりそうだったので慌てて席に着く。1番前のこの席も、数学の授業の時だけは私にとっての特等席。
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作者名：かどき | 作成日時：2024年1月22日 18時
