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「うん、……なんか、私、逃げてたような気がして、」
『……うん、』
「なんかな、阪本ってなんとなく自分の中で��好きになったらあかん人��って思ってて、」
『……うん、』
「やから、その、………好きになっていい、って気付けたら、多分、好きになるのは一瞬で、」
『……うん、』
「やから、私、阪本のこと、
好き。」
『……うん、
……………え、？え、え、ほ、ほんま、？』
「うん、ほんま。阪本のこと、好き。」
そう言った瞬間彼女が俺の胸へ飛び込んでくる。
『うお、ちょ、…！』
あまりに一瞬の出来事というか、予想して無さすぎて思わず体勢を崩す。
そのまま後ろに倒れ込み、Aも俺の上に覆い被さる。
気づけば、Aの顔が真ん前にあって、……
「あっ、………ぶな〜〜、！！もー、危うく阪本とのファーストキスこんな変なところになってしまうとこやったやん！！」
俺のすぐ目の前で頬を膨らませ口をとんがらせるA。
は、ちょっと待ってかわいすぎる、……。
若干紅く染まる唇が僅か数センチの距離で動く。
「こんなラッキースケベで終わらせられ────」
気づけば俺は、その唇を自分の唇で塞いでいた。
やば、
キス、してもた、………。
「………、、！？、！？！？さっ、さ、さかもとっ、！、？！？？」
『すまん、……かわいすぎて、つい笑』
その瞬間顔をこれでもかと紅く染め上げて急いで起き上がり両手で頬を押さえる彼女。
俺って、意外と積極的やったんかな、と呑気に考える。
いざ、やってしまえばあまり緊張とかなんも無くて。
不器用とか言われるけど、流石にキスなんて俺からしてやるもんやから。
もう一度、彼女の方を見る。
耳たぶまで赤くなってる、………って、あれ？
なんか、暗、……唇、あったか、……。
あれ、俺今、……Aにキスされてる？
『………、、！？！、、！？！、？！』
「ふへへ、仕返しじゃ！！！ボケ〜！！！！うーわ顔赤、髭青。」
『はぁ、！？！？黙れ！！！このっ、、、ちび、』
「んはは！！！言うことなくて超小声になってやがんのー！！！」
胡坐をかきながら後ろに仰反るようにして手を叩き大笑いするA。
こいつは、今日から俺の、彼女、らしい。
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作者名：かどき | 作成日時：2024年1月22日 18時
