好き、やねん。 (ページ47)

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そうして少し笑ってる間に花火が消える。
花火の音に混じってあまり聞こえなかったが写真はきっとさっきの笑ってる間に撮られたのだろう。

『てか、お前も撮ったるわ。貸せ。』
「え、いいよ私は。」
『はぁ？自分だけ撮っといてなんじゃ、俺にも撮らせろ。………おりゃ、！』

一歩後退ったAの携帯を奪おうとすると携帯を隠されて…………

ってもしかしてこのまま行けばまるでこれは漫画で起こる抱きついてしまったり胸が当たったりしてしまってお互いを意識し合うエ.ロハプニング…！？！？

とは、行かず(行くわけもなく)Aは携帯を上に上げてしまったのでそのままAより背の高い俺が携帯を取って終了。
任せろ、お前のことは俺がこの世で一番かわいく撮れる自信しか無いし。

「ああ、ちょ、！！」
『うぃ〜ーチビ！！はい、花火つけてくださいってお前………これ録画やんけ！！！』

「うう〜バレた、、すません、、」
『別にええけど、』

ええけど、………なんか、恥ずかしい、かも。
俺の行動ひとつひとつ撮られてたってこと？
てかAは俺の行動ひとつひとつ撮りたいってこと？
いやいやそんなわけ、………

『はい、今度はお前の番。』
「はーい、花火つけます〜〜。」

『ちょっと、疲れたな、…』
「うん、確かに笑少し休憩する？」

俺の言葉を合図にするようにふたりで砂浜に腰を下ろす。
俺が先に座ったら、意外と近くに……というよりもう少し動けば肩が触れ合ってしまう距離にAが座って必要以上にドキドキさせられる。

波が行き来して、そよ風が吹いて、靡いたAの髪の毛が俺の肩に当たる。

「あ、そういや昔仲良くしてた同級生の結婚式にこの前行ってきてさ。みんなもうそんな歳なんやなって。」
『確かに、この年齢はゾロゾロと結婚してくよな。』
「そーやねん、流石に焦った方がいいかな？」
『別にええやろ、』

俺の気持ちは、伝わってないんか。

この気持ち、伝えてしまったらどうなるんや。

「阪本は？彼女とか欲しいと思わへんの？」
『おん、別にええかな。』
「ふーんなんか余裕ある奴やな。腹立ってきた。」
『なんでやねん。』

彼女なんていらん。俺が欲しいのは、Aだけ。ずっとずっと昔から。

残念、ハズレ。お前の前だけではいっつも余裕無いんやで、俺。