好き、やねん。 (ページ36)

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はぁ、最悪や、。
そう思って人目も気にせず俯いたとこやった。

後ろから足音がして振り返ると俺のアウター抱えたまんまこちらに駆け寄ってくるA。

その時の表情は、、何故か心配と不安が100%やった。
同期のこんな情け無い姿見て笑わずに心配してくれるん、？どんだけ良い奴なん、。

「……ッ大丈夫？…はあっ、はぁっ。どこぶつけた？擦りむいた？どこ痛い？」

『え、いや、えっと……』

息を切らしたAがこちらに顔をグイッと寄せて質問してくる。
ちょ、ちょっと戸惑うからやめてくれ、。

『……ひ、膝、…がむっちゃ、痛い…。』
「膝？ズボンめくって良い？ちょっとここ歩道の真ん中やし少しだけ歩ける？肩貸すし。」

『い、いや悪いからそんなんええよ、。』

「何言ってるん、めっちゃ叫んでたやん。いったぁって。阪本のあんな叫び声中々聞かへんでほんま。」

一度断ったのに左腕をひょいと持ち上げられそのままAの首元にかかる。

ちょ、近いって。距離感おかしいやろ……。

あかん、むちゃくちゃ………

ええ匂いする。

この期に及んでまでこんなこと考えてる自分キショすぎる。

「……あらら、見事に擦りむいてるね。絆創膏貼るな。」

そう言うとAは自分のカバンから小さなポーチを取り出して更にそこから絆創膏を取り出した。
何それ、マトリョシカ？
え、女の子ってみんなそうなん？カバンにポーチに更に……ってなってるん？

自分の今の状況の事の発端とも言えるような悪ふざけや悪ノリが大好きな彼女の女の子らしい一面に戸惑っていると慣れた手つきで絆創膏を貼り終えられていた。

『すまん、…ありがとう。』
「ううん、気にせんでええよ。多分軽く擦りむいてただけやからこれで大丈夫なはず。歩ける？まだ痛い？」
『もう、大丈夫。』

お前に絆創膏貼ってもらったら痛みなんて吹き飛ぶわって言いそうになるのを抑える。

「ん。……よかった。」

中々聞けない超優しいボイスを優しい微笑み付きで届けてくれたA。

こんなん、流石に好きにならん方がおかしいやろ。