好き、やねん。 (ページ27)

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ガラガラ、と勢いよく回していたが結果は6等ポケットティッシュ。それでも何故か心から楽しそうなAがかわいかったのでそんなことはどうでも良かった。

福「彼氏さんもどーですか！カップルと夫婦は特別2回回せますよー！」
『え、？』

まさかのカップルと言われて動揺してしまう。Aと俺がカップル…？
あかん、にやけるな、俺。

「にーやんもやりーや！」

なんでこいつ何も触れへんねん。カップルって言われてんねんぞ。またこうやって何気ない言葉に喜んでるのは俺だけかと思いつつ口角が上がってしゃーなくて思わず目を逸らしてしまった。

『や、俺はええわ、。』
「えー！なんでよー！」

福「お姉さんかわいいですし、特別にいいですよ！笑」
「えー嬉しい〜笑」

は、？
なんやねん、この男、。
チャラそうやななんて見た目で思ってしまってたけどそんなどころじゃないやん。
え、普通彼氏やなって思ってる男の前で彼女のことかわいいとか言うもんなん？
そしてそれに満更でも無いA。

目の前で楽しそうにしてるふたりとはまるで自分が別の世界におるんかと錯覚してしまうぐらいふたりをぼーっと見つめていた。
そんなことずっと考えてたらいつの間にか終わってたらしくて。

「まあそんなもんよな〜〜付き合ってくれてありがとー。ふふ、カップルか〜。」
『なんや、何も反応せえへんから聞こえてなかったんかな思たわ。』
「えー？まあいいやん。私は別にやじゃないけどなー、にーやんの彼女。」

こいつってやつはほんま、俺を勘違いさせて気持ちよくさせる天才なんか。

「にしても今日の私なんかモテモテ〜モテ期きたわ、ついに！」
『ついにって今に始まったことちゃうやろ。』
「んーそんなこともないよ？にーやん横におらんかったら誰かしらにはついて行ってたかも笑」
『お前、……』

冗談でも、そんなこと言うなよ。

『なあ、タバコ吸ってええ？あかん？』
「ん？いいよー？」

心の中に無性に誰かにぶつけたいけど誰にもぶつけられない思いが溢れて溢れて仕方なくて、なんかそれを揉み消したくてタバコに火をつけた。

そういえばAは昔、タバコを吸っていた。
なんならふたりでちゃんと喋ったんもNSCの喫煙所やったし。
でも今の彼氏が出来てから彼氏が嫌がるからと言って一切吸わなくなった。