好き、やねん。 (ページ26)

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店員「あ、レシート…」
「あ、すみません！ありがとうございます！……………ぁ、あの…」
『すんません、そういうのやめてもらっていいですか？』
「え、……」
店員「は、はい…、？」

『とぼけないでください、Aの手無駄に触ってますよね？』

店員「い、いやいや…！決してそんなことは…」
『ありますよ。そんなことあります。お釣りの時から手、放すの遅かったですよね？しかもレシート渡すのに片手持たなダメですか？手そんな握らんでもレシートぐらい渡せますよね？違います？』

ついカッとなってしまって早口で捲し立ててしまった。
でも今のは明らかすぎるし気分悪すぎる。
ほんでこうやって言ったら俯いて黙りこくる始末。ほんま勘弁してほしい。

『……もう反省してるんやったらなんも言いませんけど。次もう絶対こんなことせんといてください。』

店内にいる他のお客さんからの視線もあってそう吐き捨ててAの腕を引っ張ってコンビニを出た。

『ん、水。』
「あ、ありがとう。守ってくれたにーやんの姿見て酔い醒めちゃったかも。なんてね〜」

ペットボトルをAに渡すと意外と何も気にしていないっぽい。普通にボケてるし。
まあ顔整ってるしこんなこと日常茶飯事なんやろか。大変やな。

『……落ち着いた？』
「うん、お気遣いどーも。流石にーやんですね〜。」

そう言って顔の前で手を合わせ軽くお辞儀をするA。まーたそういうこと言う。

「んぁ、そいえばさ、さっき福引きみたいなんやってなかった？やりたーい、私。」
『そんなんあったか？』
「あったよお〜、私あーいうの見るとやっぱ大阪やな〜ってなんねん。」

よくわからない理論を展開しながら今度は俺の腕を引っ張っていくA。人情ある街、ってことで合うてんのかそれは。

福「福引きやってま〜す！最終日で〜す！！どうですか〜！！」

少し歩いたところにほんまにあった。
若い福引きのお兄ちゃんが呼び込みをしている。こんなん普通おじいちゃんがやってるやつちゃうんかと思ったけど、横におじいちゃん座っとった。孫かなんかか？

福「そこのお姉さん！どうです？福引き！」
「わーいいんですかー！やりたいです！」

掴んでいた俺の腕を話して早速目を輝かせるA。付き合ったらこんな感じでデートしてくれるやろかと気持ち悪い妄想をしてしまう。