好き、やねん。 (ページ3)

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翌朝

いつも通り楽屋入りして、荷物を置く。真面目な谷やんは今日もきっちり早めに来てる。
おはよー、と声をかけて薬を飲むためにも飲み物が欲しいので自販機へと向かった。

ガシャコン。
と、落ちてきたお茶に手をかけながら薬を取り出そうとポケットに手を突っ込んだ。

「あれ、なんでやろ……」
『あ、Aやん。おはよう。』

突然右側から声が聞こえて肩を震わせる。

「阪本…、おはよう。」
『ふっ、びっくりしすぎやろ。ポケットそないまさぐり回してどないしてん。』

……言われへん。
薬忘れたなんて、言われへん。

「ううん、なんでもない。いや、それよりまさぐり回すってなんやねん！」
『あれ、間違ってる？まさぐる、か……？』

どっちやったっけ…とぶつぶつ言っている阪本を横目に反対のポケットも確認したがやっぱり何もない。ほんまに机の上置いてきてしもたんやろか。

「阪本、ちょっとドラッグストア行ってくるわ。なんかあったら言うといてくれへん？」
『……別にええよ。気ぃつけてや。』

目を逸らしながらそう言った彼やけど…そんなこと言うやつやったっけ？

「うん、ありがとう」

いつもなら阪本らしくないやんけ、とツッコミを入れてしまいそうだけど焦っているのとなんとなく自分もいつもの自分らしくない姿を見せたくなってそう返した。
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