好き、やねん。 (ページ12)

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リリーside

『モリシ、購買行こ。』
盛「えぇ〜？購買〜？時間見てみ？もう雑魚しか残ってへんやろ。」
『一回、一回行ってみな。わからんやろ。』
盛「こういう時のお前マジで折れへんやん。」

ぶつくさ言いながらもいつも自分に付き合ってくれる優しい友達を廊下に引き摺り込んでふたりで購買へ向かう。
正直、俺も目当てのいわゆる雑魚じゃないカツサンドや焼きそばパンが残っているとは思っていない。それでも、俺は購買へ行きたい理由がある。

盛「なんもなかったらどうすんねん。」
『まあ、それなりのもんはあげるよ。』
盛「ほーん。まあええわ。……あ、それより聞いた？隣のクラスの佐藤さん、彼氏と別れたらしいぞ！」

購買に向かってる途中でニコニコ笑顔で囁いてきた巨人。抑えてるつもりか知らんが元の声量でほとんど意味がない気がする。

『……そうなんや。あんま興味ないわ。』
盛「ええ！？なんでぇ！？お前かわいいって言ってたやん！！え、もういいん？」
『おん。あんな子他に狙っとるヤツもいっぱいおるしな。』
盛「何それ、もったいな。ほな俺いっちゃうで？ええねんな！？」
『好きにせえ。』

隣で相当驚いてる様子のモリシ。まあそれも無理はない。実際、その女の子はかわいいと思っとったしかわいい女の子は大好きだ。でも、今は……。

盛「ほら〜！なんもないやん！！」
『………。』
盛「何黙ってんねん！それなりのもんくれるんやろ？さっき言ったからな！！」
『…………俺、好きな子できたわ。』
盛「……ええ、？……えぇ！？ほんまに〜！？！？」
『うるっさ。ほんまや。こんなとこで嘘ついてもしゃーないやろ。』

やっぱり声量のおかしい俺の友達は唐突なカミングアウトに大声を出した。うるさい。周りからの視線が一気に集まる。ついでに購買のおばちゃんにさえ驚かれた。

盛「ほんまに言うてんのそれ？え、誰？え、あのリリーが？？」
『ほんまや言うてるやろ。その話したくて何もないのわかってて購買来たんや。』
盛「いや普通に言えばいいやん！なんやねんそれ！！…もしかしてさっきの話興味無かったんって…」
『ああ、そうや。好きな子おるから興味無い。俺はあの子以外興味ない！』
盛「え、どんな子…？リリーをそこまで本気にさせるってどないなん…。」
『どんな子って……。』

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