好き、やねん。 (ページ2)

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同期やんのも簡単ちゃうから。M.skmt ページ2

33期×同期(苗字設定推奨です)

「もうええわ！どうも、有難う御座いました〜」

お決まりの台詞を最後にお客さんの拍手の中舞台から捌け楽屋へ戻る。今日のステージはなんとか、耐えた。
とにかく早く座りたくてソファーへ一目散に向かい腰掛けると隣に相方の谷やんが座って暖かいお茶の入ったペットボトルを差し出してくれた。

「お疲れ。ちょっと頑張りすぎちゃう？無理すんなよ〜マジで。」
「うん、多分大丈夫。昔からずっとこんな感じやし今更有難いことにステージ立てるのに休まれへんからさ！」
「ほんまに？まあ、明日無理そうやったらすぐ言って。」
「うん、ありがとう。」

優しい相方の一言に感謝しながら貰ったお茶を一口含む。今は絶賛生理の真っ只中。相方にはこれまでもこれからも迷惑かけたらまずいと思い、既に周期を伝えてあるので毎回心配してくれる。
明日もそこまでステージ多くないし薬飲めばなんとかなるかな、なんて思っていると気づけば相方も帰り楽屋も静かになっていた。
その静寂を壊したのは、

『A、この後予定ある？メシ行かへん？』

同期の、阪本だった。
鞄を肩から掛けアウターを羽織っている。
なんや、阪本からなんて珍しい。
そう思ったけど今日はできれば早く横になって寝たい。今にも腹の奥の奥がぶち壊れそうな程悲鳴をあげている。

「あーー、ごめん。行きたい気持ちは山々やねんけどまた今度でもいい、？」
『………おん、わかった。』

せっかく誘ってくれたのに、ともう一回謝ると"いや、大丈夫"とだけ答えた彼はじゃあ、と片手を挙げ楽屋から去って行った。
何処か無愛想で表情も声のトーンも何も変わらない彼だけど、何か理由を聞くわけでもない彼の隣が居心地良くて、そんなところが好きだった。
もう少し悲しそうにしてくれてもいいのに、なんて子供みたいなことを考えながら私も後を追うように楽屋を出た。

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