63 月明かりの下 ページ13
*
空に大きくかかっていた雲が流れていって
月の明かりが眩しいくらいに、店内に入り込んでくる。
生まれてから今までに見た空の中で
それは一番綺麗な空だった。
大きな満月が、紫耀くんの背中から光を注いだ。
紫耀「………A、めっちゃ綺麗。」
瞳の奥の何処かを見つめるように
彼の目は私の顔を覗き込んで
服にゆっくりと手が掛けられた。
「だめ……………」
月が、明るいから。
紫耀「明るいとこで見たい。Aの全部。
全部……………知りたい。」
そんなこと言われたら
もう、私は何も言えなくなる。
勝手に、力が抜けていく。
肩に触れる手が、するりと服を剥いでいく。
まるで、私自身がそれを待ち望んでいたかのように。
.
月明かりの下
割れたガラスをよそに
紫耀くんの唇は
何度も何度も、私の肌に優しく触れた。
紫耀「………、A。綺麗やから。大丈夫やから。」
「ん………っ」
紫耀くんの熱を体中に感じて。
紅い花が胸元に咲いて。
それは
きっと
何よりも幸せな時間だった。
紫耀くんが創ったこの世界の中で
紫耀くんが望んだこの世界の中で
そこにいくつもの音を響かせて
そうして生まれる妙な背徳感さえも
今の私にとっては、何よりも大事にしたいものだった。
.
「しょお、くんっ……………、好き」
髪を撫でる手つきだけはいつまでも優しく
初めて、本当に、貴方と繋がった気がした。
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蘭(プロフ) - ものすごく面白かったです！！勇太が自分から悪役になって主人公の女の子を送り出すのが本当に泣けました！ (2019年8月25日 4時) (
レス) id: f0c1e98991 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - めっちゃ泣いちゃいました！おもしろかったです(^-^) (2018年5月31日 8時) (レス) id: a62c72f2bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぴ - いろいろ感動しました。すごく、おとなぽっくてかっこいい作品でした。 (2017年8月24日 12時) (レス) id: 1413602191 (このIDを非表示/違反報告)
樹里亜(プロフ) - とっても大好きな作品でした。私好みすぎて… これからも頑張ってください！ (2017年7月12日 0時) (レス) id: cc2f6a9c78 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - CHI-NAKAさん» メインではない登場人物の性格や言動もこだわって書いているのでそう言っていただけるとすごく嬉しいです！ありがとうございます(>_<)！！！ (2017年6月25日 23時) (レス) id: 6707e6f3bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音
| 作成日時：2017年4月15日 20時
