何サマ？俺様。社長サマ！

１２ ページ12

でも母のあの喜びようからは、少し嬉しさを感じたり。



たぶん母も…結構肩身の狭い思いをしていたのかもしれない。



近所の友達はみんな地元の会社に就職して、彼氏もいると思う。




私はこっちで大学は無事卒業できたけど…仕事は無し、彼氏も未だゼロ。




周りと比べちゃダメかもしれないけど、やっぱり比べてしまうものだから。




何か…そう考えるとお母さんに申し訳なくなってくる。




今回の電話だって心配してくれて掛けてきたんだろうな。




さっきまでの母に対する怒りと不満は、今では嘘のように消えて。





暖かい気持ちになれた。




でもこうなったからには……秘書の仕事をやらないといけない。




お母さんに、親孝行をしないと。




私は少しずつ、ポジティブに考えるようになってきた。




良く考えれば、仕事が手に入ったんだし。




良く分からない性格をしているけど、イケメンの元で働けるんだし。




……うん。




良い話じゃない。




そりゃ、いきなり秘書なんて無理だし…。




あの良く分からない性格をして、いきなりキスするなんて言ってくる強引な社長のもとで…。






私なんかが、って思うけど。



でも、頑張ろう。




悪いことばっかり考えてたら…先には進めない。



良く考えればそうだ。




今までの会社の面接だって「私なんかが、頑張れるかは分かりませんが」って弱音に近いことしか話してなくて、自分のアピールなんて全然できなかった。




少し……私の悪いことが分かった気がする。




「私なんかが」「私みたいな」って言葉が口癖だった。





でも……私でも頑張れる。



私だから頑張れる。




そう自信を持って頑張ろう。




明日から、不安もあるけど……自信をもって行こう。





そう心に決めて、明日からの日々に対して意気込んだ。




今日で＿＿＿私の口癖は封印だ。

１３＊俺様side→←１１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す