後日談3 ページ44
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「A、こっちや。俺に着いて来て」とコネシマさんに連れられて無機質な部屋を出ると、雰囲気は一変としまるで御伽噺に出て来る様なお城の中だった。
廊下を歩いている途中、すれ違う人達の腰には剣がぶら下がっている。コネシマさんたちが所属している、この国の軍の人達なのだろうか。
コネシマさんと長い廊下を一緒に歩き続けていると、急に目の前に豪華な装飾が施されている大きな扉の前に辿り着いた。
「コネシマさん、この部屋は一体…？」
kn「総統室やで。グルッペンの仕事部屋」
『総統室』と聞くと緊張が走り、思わず背筋がピンと伸びてしまった。
以前クソ上司の不手際のせいで、何故か私が社長室に呼び出しを食らった時のような気持ちになる。
そんな私の緊張がコネシマさんに伝わってしまったのか、「そんなに緊張せんでも大丈夫やって、Aにとって悪い話じゃ無いから」とコネシマさんに笑われてしまった。
意を決してその扉を開くと、そこには良く知った顔の人達が居た。
zm「あ！A、やっと来た！！もう、待ちくたびれたわ〜」
ut「Aちゃん、待ってたで〜」
sha「良く来たな、A！」
shp「Aさん、こんにちは」
ci「Aさん、W国にようこそ！」
rbr「Aさん、いらっしゃい」
「せっかくの休みやのに呼び出してもてすまんな、Aさん。グルさん脱そっ…今ちょっと席外してて」と、トントンさんが困り果てた顔をしながら言う。
今トントンさん、脱走って言い掛けたよね。
しばらくすると、グルッペンさんがお城の兵士さんに連れられて総統室に現れた。
gr「良く来てくれたな、Aさん」
「お招き頂きありがとうございます、グルッペンさん」
私は深々と頭を下げてお礼を述べると、「そんなに畏まらなくて良い、俺とAさんは一緒にケーキを食べた仲じゃないか」とグルッペンさんがくつくつと笑いながら言った。
そうだ、グルッペンさんは留守中の私の家でケーキを食べていたのだ。あのファーストコンタクトを忘れる訳がない。
すると隣に立っていたトントンさんが、勢い良く咳払いする音が聞こえてきた。
tn「グルさん、あんまり長話してもあれやし、本題に入ろか？」
「ああ、そうだったな。それでは本題に入るとしよう」と言ってグルッペンさんは咳払いをした。
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