後日談1 ページ42
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W国の戦争が落ち着いた今、コネシマさんは非番の日には毎日かかさず私の家に来て顔を出してくれている。
今日はコネシマさんの非番と、私の休みが奇跡的に被ったのでコネシマさんがW国から会いに来てくれていた。
気軽に行き来が出来るのか心配だったけれど、問題無くW国からの移動が出来ているようだ。
ごく普通の遠距離恋愛と変わりないと思えば、気は楽になる。
kn「なぁ、A。今度W国に来てみんか？」
「…W国に、ですか？」
突然のコネシマさんの提案に私が尋ね返すと、「そう。やっと国も落ち着いてきたしな。それに今日は、実はなグルッペンから招待状を預かって来たねん」
するとコネシマさんが、グルッペンさんから預かった招待状を私に手渡してくれた。
恐らくW国の国章であろう模様が刻まれたシーリングスタンプで止められた封筒は、なかなかお目に掛かれない。紙の材質からして何だか高級そうだ。
「コネシマさん、封を開けても良いですか？」
「それはA宛の招待状なんやから、Aが開けんと。俺が開けてどうすんねん」と、コネシマさんに苦笑される。
早速招待状の封を開封すると、グルッペンさんの直筆だと思われる綺麗な字で『W国に招待する』と言った内容が書かれていた。それもわざわざご丁寧に日本語で。
kn「どうや、W国に来る気になった？」
「コネシマさん、次の休みの日にお邪魔しても良いですか？」
kn「ほんまに！？そしたらグルッペンたちにもAが来るって言っとくわ！じゃあ、朝の十時にあの海で待ち合わせな！」
「分かりました」と返すと、コネシマさんはいつも以上に嬉しそうに笑顔を浮かべながら「絶対やで！仕事入れんといてや！」と言う。
これは意地でもあの例のクソ上司から逃げ切って、休みを死守しなければ。休日出勤なんてたまったものじゃない。
海で待ち合わせ…まるでコネシマさんとデートの待ち合わせみたいだ。
私とコネシマさんの場合は少し特殊だけれども、それはそれで楽しみだ。
kn「ついにAがW国に来るんか、楽しみやなぁ。もしかしたらAを帰したくなくなるかもしれへん」
「コネシマさん、それはちょっと困ります…」
kn「冗談やって。そんな真に受けんといてや」
「コネシマさんの冗談は冗談に聞こえないんですよ…！」
kn「そうかぁ？」
W国は一体どんな国なのだろうか。
私は地図には載っていない、未知の国に胸が躍らされるのであった。
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