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しばらくすると、トントンさんと交代でお風呂に入っていたロボロさんがリビングに戻って来た。
rbr「Aさん、お願いがあるんやけど…」
ロボロさんがおずおずと私にお願いを申し出た。
ロボロさんが私にお願いがあるだなんて珍しいものだ。
「どうかしましたか、ロボロさん？」
rbr「あのさ…Aさん、俺の髪を乾かしてくれへん…？」
「良いですよ」と答え私はロボロさんにこちらに来るよう手招きをすると、ロボロさんはおずおずと私の前に座った。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、ロボロさん」
rbr「いやっ、してへんよ！？」
今の裏返った声の返事、どこからどう見ても緊張しているようにしか見えない。
私の目の前で座っているロボロさんは、慣れない正座をして姿勢を正している。
私はドライヤーの電源を入れると、ロボロさんの髪を乾かし始めた。
rbr「Aさん、明日で最後やなぁ」
「そうですね、ロボロさん。寂しくなります」
ロボロさんは初めて会った時は、怪しい人と本気で思ってしまった。
私の個人情報はロボロさんに握られていた上に、国家機密に抵触すると脅された。
今では小動物のようでとても可愛い人だと印象なのだけれども、このことをロボロさん本人に言ってしまったらきっと怒られてしまうな。
rbr「俺は女の子に全く免疫無いし、Aさんに変な奴とか思われとるかもしれん。せやけど、Aさんに出会えて良かったわぁ」
「私もロボロさんに会えて良かったですよ。短い間でしたが、ありがとうございました」
私が頭を下げると、ロボロさんが同じようにしてぺこりと頭を下げた。
rbr「せや、最後にAさんに聞きたいことがあるねん」
「何ですか、ロボロさん？」
rbr「Aさんって、コネシマのことどう思ってんの？」
「コネシマさんですか？」
コネシマさんの名前を耳にして、心臓がドキリと飛び跳ねた。
rbr「そう、コネシマのことや」
「コネシマさんのことは好きですよ…異性として」
rbr「そっか、Aさんのその言葉が聞けてスッキリしたわ」
「えっ、ロボロさんどういうことですか？」
「何でもない！」とロボロさんが屈託の無い笑みを見せる。
ロボロさんの短くサラサラで綺麗な髪を乾かし終えてしまった。
「ロボロさん、髪乾きましたよ」
rbr「ありがとな、Aさん」
「どういたしまして」
ロボロさんは自分の部屋に戻って行ってしまった。
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