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kn視点
十日後。
目が覚めてすぐにリビングに行くと、ゾムが朝メシの用意をしてくれとった。
zm「おはよう、シッマ」
kn「ゾム、おはよ。Aは？」
「Aはもう仕事に行ったで」とゾムが答えた。
Aはいつも通り朝早くに起きて、もう既に仕事に行ってしもたみたいや。
せめてAが仕事に行く見送りだけでも出来ればと思ったけど、間に合わんかったか。
ut「おはよ〜」
sha「おはよー」
shp「おはようございますー。チーノ寝坊です」
ci「ショッピくん、置いてかんといてぇや！」
全員が起きて来るとゾムの作った朝メシを食べ終えて、いつものようにロボロに小言を言われながらのんびり過ごしてると突然インターホンが鳴った。
rbr「ようやく来たみたいやな」
sha「来たって何が？」
「まぁ、見たらすぐ分かるわ」と、シャオロンの質問に対してロボロが答えた。
状況が全く分からんまま全員でロボロの後に付いて玄関まで行くと、玄関のドアの向こうにはW国に居るはずのトントンの姿があった。
rbr「トントン、良く来たな。お疲れさん」
tn「いやー、徹夜で作業した甲斐があったわ」
sha「誰かと思ったらトントンやん！」
ut「うわ、凄い隈やん。これ何徹したん？」
「五徹や」と答えるトントンの目の下にはくっきりと黒い隈が浮かんでた。
zm「トントンちっす！」
shp「お久し振りです、トントンさん」
tn「久し振りやな、全員元気そうで良かったわ」
ci「トントンさん、どうしてここに来たんですか？」
『準備が出来たらトントンが迎えに来てくれる手筈になっとる』って、ロボロがこっちに来た時に言っとったことを思い出す。
kn「トントンが来たって言うことは、もしかして…」
rbr「そのもしかしてや、コネシマ。俺らはもうW国にいつでも帰れるんやで」
鈍器で頭を思いっきり殴られたような感覚がした。
sha「これからのことは、Aが仕事から帰って来てから決めようや」
ci「そうですね。俺もシャオロンさんの意見に賛成です」
zm「いきなりお別れも無しに帰るとか嫌やしな」
shp「俺もそれで異論無いです」
kn「…そっか、もう俺らW国に帰れるんやな」
ut「…シッマ、大丈夫なん？」
俺が誰にも聞こえんように小さく呟いたはずの独り言を大先生が聞いとったみたいで、心配そうな顔をしながら俺に声を掛けた。
kn「大丈夫や、大先生。今まで通りの生活に戻るだけや」
俺は今、一体どんな顔をしてるんやろうか。
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