10話 ページ10
家に帰ったら日が傾くまで鍛錬をした。
木刀で素振り、集中力を鍛えるために座禅など。
そろそろやめようかと思っていたらお館様の鴉が飛んできた。
腕を差し出すと腕に乗ってきた。
その鴉は首に紙をぶら下げていた。
その紙を取り、目を通す。
その内容は本当か嘘かわからないようなものだった。できれば嘘だと信じたい。
『…何してんのよあっのばか…』
書いてあったことは兄が鬼を前にして首を斬れたはずなのに斬らなかったとのこと。
いやきっと何か理由はあるはず。でも…なんで
その紙を持って急いでお館様の所、産屋敷邸に向かった。
『失礼します、お館様っ、!』
その紙を見せながらお館様の前に行く。お館様は外に出ていて、空を見上げていた。
産屋敷「おや、Aかい。あの紙を見たのかな」
こんなあってはならないことが起きているのにもかかわらず、お館様はいつも通り穏やかだ。
『見ました。私はどうすれば良いのでしょうか。対立違反をした兄の事を罰せないといけないのはわかっています。ですが…』
いくらあんな事を言われても、されても兄は兄だ。兄が痛めつけられるのは見たくない。
でも見過ごすことはできない。
どうすれば良いのかわからなく手が震えてしまう。
産屋敷「まだみんなに言うつもりはないよ。だから義勇を、少しの間見ててもらえないかな」
お館様は兄と仲のいい胡蝶さんでもなく、優しい蜜摛でもなく、妹の私にそれを頼んだ。
きっと何かしら理由はあるのだろう。
『…わ、かりました…』
やはり動揺を隠しきれるのかわからない。でも上手くしないと兄が辛い思いをするかもしれない。
流石に対立違反で殺されることは無いけど、兄が鬼殺隊として生活できなくなってしまう。
それが怖かった。
産屋敷「A、おいで。」
お館様の方を見ると優しい顔で私を見ていた。見えていないはずなのに、見えているかのような笑顔だった。
のろのろ重たい足を動かす。
産屋敷「君が深く考える必要はないよ。大丈夫。」
肩に手を置かれて、私は少し安心した。
そして深く深呼吸をして、
『兄の事は任せてください。原因を突き止めて兄から事情を聞きます。』
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名無し79060号(プロフ) - 蜜璃ちゃんですよ 蜜摛になっています (2020年4月30日 0時) (レス) id: d9ea10242e (このIDを非表示/違反報告)
優雅 - ウミルエルさん» わぁぁぁ( ; ; )気づかずに書いてましたすいません今すぐ直します (2020年3月12日 1時) (レス) id: c2665b521a (このIDを非表示/違反報告)
ウミルエル - 親方様じゃなくてお館様です! (2020年3月11日 22時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優雅 | 作成日時:2020年3月10日 2時