イタズラ ページ1
H×H世界線/恋人/同棲
『18時に起こしてほしいね』
私が買い物を終えて家に帰るとソファにすやすやと眠るフェイとテーブルに置かれた彼の字、彼の言葉で書かれたメモ。
気持ちよさそうな寝顔を、抱いているクッションで半分隠してソファで寝ているフェイを起こさないように荷物を置いて、そっと顔の前に屈み込む。
(こうして寝てる顔見ると綺麗な顔してるんだよなぁ…直接言うと怒るから言わないけど)
そう思いながら彼の顔にかかる髪を触るとするすると指の間をすり抜けていく。
普段ならこのくらいですぐ起きるのに、起きないのは余程疲れているのだろう。
｢時間になったら起こしてあげよう｣
小声でそう呟いてから、寝室にブランケットを取りに行きそっと彼の小柄な身体にかける。起きないことを確認してから、買ってきた物の片付けをすることにした。
ーー
ふと時計を見ればもうすぐで18時になる頃だった。そろそろ起こそうと思い、読んでいた本を机に置いてからソファで眠る彼に声をかける。
｢フェイ、もうすぐ時間だよー？｣
軽く揺すりながらクッションを抱きしめる彼を起こそうとするが、反応はない。
いつもならすんなり起きるのに疲れてるのかな…でも起こさないと時間だし…
そう思考を巡らせているとある案が浮かんだ。
｢起きないとイタズラしちゃうよーフェイタンー｣
にやにやしながらそう言い、目の前で眠る彼の白い頬にそっと、ゆっくりと指を伸ばす。
起きてる時なんてぜったい触らせてくれないけど、いまなら多分…そんな好奇心からくるイタズラだった。
起こさなきゃいけないけど、イタズラしたいからフェイが起きないようにそっと動く。ちょっと矛盾しているけど。
｢フェイ
ガシッ
あと数センチ…数ミリかもしれない。もうすぐで触れるスレスレのところで腕を掴まれた。
｢A、何してるね｣
その声と同時に先程まで全く開かなかった彼の瞳と目が合った。
｢えっ、あ、いや、時間だよーって起こしに ｢じゃあこの指は何ね？｣
｢うっ…｣
フェイに嘘をついてバレなかったことなんてほとんどない。私が隠すの下手なのか、彼が見抜くのがうまいのか分からないけどこうなったらもう終わり。
｢フェイのほっぺ触ろうかなって…思って…｣
言いながら恥ずかしくなり、だんだんと声が小さくなる。
そんな私を見ながらニヤッと口角を上げる彼。
｢なら、私もAにイタズラ仕返すね｣
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作者名：シャラ | 作成日時：2019年11月4日 18時
