花洛世界の怪物 捌 ページ8
「…取られると言ってもだな……具体的に如何やって手を打つかだが」
「アンタがあの子を如何したいかによるやろ。唯会って話したいだけなのか、それか＿＿＿」
「彼女は
オスマンの言葉の先を遮ってはっきりとそう断言したグルッペンに、少し驚いたように瞳孔を開いて、そしてふと瞳を細めて笑みを浮かべた。
「アンタらしーわ」
「そうか?」
首を傾げるグルッペンに対し、オスマンは大仰に肩を竦めて見せる。苦笑を滲ませながら、二人は一体如何しようかと思案していると、背後から突然声が掛けられた。
「飲み物は如何でしょうか」
声のした方向を振り向くと、此の西洋館に勤めているのであろう給仕の男がワイングラスとボトルを乗せた盆を差し出し、営業向けの笑みを浮かべながら言った。
二人は其れを何の疑いも無く、グラスを受け取ってかちんとグラスを鳴らした後に、葡萄色の液体を一口
「オスマン、あの給仕の男は?」
「もう行ったけど、如何かして…」
「神経毒、其れか睡眠薬だ。致死量では無いが、何らかの薬が通常の服薬量を超えて混入されている。酒の苦味に毒が隠されていた」
人間の毒は、人間にしか効かない。
グルッペンはそう呟きながら、毒と化した其の液体の入ったグラスを無造作に地面に落として割った。破砕的な音と共に、葡萄色の液体がヱントランスの床を濡らす。徐々に血のように広がる液体と、周りの喧騒から逃れるように二人は視線を巡らせて＿＿_
「あそこ、南扉付近!」
彼が指差した方向には、確かに先程ワインを勧めた給仕の男が盆を持って立っていた。然し、其の給仕の男が話している人物を見て、グルッペンは顔をくしゃっと歪める。
「…クソ、無差別に人間を殺める気か⁈」
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小蝶(プロフ) - 匿名。さん» 初めまして、コメント有難うございます。まだあまりd!さんメンバーが登場させることが出来ていなくて…僭越ながら、これからも本作品を楽しんで頂けるように頑張っていく所存です。匿名。様も良いお年をお迎えください…! (2018年12月30日 21時) (
レス) id: 005eaac628 (このIDを非表示/違反報告)
匿名。(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。お話の雰囲気がとても素敵で物語に引き込まれてしまいました…！まだ出てきてないメンバーと夢主ちゃんが今後どの様に絡んで行くのかすごく楽しみです…！更新頑張ってください、良いお年を！ (2018年12月29日 18時) (レス) id: f847969bca (このIDを非表示/違反報告)
小蝶(プロフ) - 鈴蓮さん» 初めまして、コメントありがとうございます。雰囲気が好きって言われるの、とても嬉しいです!更新は不定期になりますが、これからも頑張っていく所存ですのでお付き合い頂けたら幸いです。 (2018年11月25日 13時) (レス) id: 005eaac628 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - コメント失礼します！文章の雰囲気がとっても好きです……！これからも更新頑張ってください！ (2018年11月25日 8時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小蝶 | 作成日時：2018年11月17日 21時
