堕ちた椿と髑髏 参 ページ26
翌日、新しく買った髪留めを着けて學校に向かった。其の日の課業も数時間掛けて全て終了し、終業の鐘が響いた頃。級友は笑みを浮かべて、物腰柔らかに話しかけてきた。
「A様、今日は私の家で御茶会でもしませんか?」
貴「嗚呼、すみません今日は…」
御茶会、と云う単語はとても魅力的だが今日は生憎先約が入っていた。家で課業の一環である算術が苦手だ、と一人嘆いたところ、如何やらグルッペンが彼自身の時間を割いて教えてくれるらしい。其れでは彼に悪い、と最初は断ろうとしたが提案自体とてもありがたかったので、断るに断れなかった次第だ。
「そうですか…残念です。
また機会が有りましたら是非」
そう言った彼女の瞳が、一瞬だけ、光の放たない暗星のように影を落とす。残念そうな仕草をするなら、其の反応は普通だと最初は考えたが、其の表情があまりにも暗く、妙に胸がざらつくような見る者の不安感を掻き立てる表情だった。
直ぐにいつも通り、包容感のある優しい笑みを浮かべていた彼女だったが、其の影を潜めた表情が妙に脳裏に焼き付いて離れなかった。
・
貴「＿＿_グルッペンさんが?」
帰宅し、彼の書斎に向かって扉をノックすると彼の書斎にいたのは、グルッペンでは無く主に補佐を務めていると云うトントンだった。
「嗚呼、如何しても外せない会議が急遽軍の方で行われてるらしくてな…俺は今夜非番だからええねんけど。」
貴「そうですか…」
グルッペンは今夜、軍務があるらしく屋敷にはいないらしい。其れを聞いて思わず肩を落とした。
「其れでなんやけど…俺で良ければ勉強教えようか?」
貴「…えっ、良いんですか?」
予期せぬ事態だったが、トントンが如何やら算術を教えてくれるらしい。
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小蝶(プロフ) - 匿名。さん» 初めまして、コメント有難うございます。まだあまりd!さんメンバーが登場させることが出来ていなくて…僭越ながら、これからも本作品を楽しんで頂けるように頑張っていく所存です。匿名。様も良いお年をお迎えください…! (2018年12月30日 21時) (
レス) id: 005eaac628 (このIDを非表示/違反報告)
匿名。(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。お話の雰囲気がとても素敵で物語に引き込まれてしまいました…！まだ出てきてないメンバーと夢主ちゃんが今後どの様に絡んで行くのかすごく楽しみです…！更新頑張ってください、良いお年を！ (2018年12月29日 18時) (レス) id: f847969bca (このIDを非表示/違反報告)
小蝶(プロフ) - 鈴蓮さん» 初めまして、コメントありがとうございます。雰囲気が好きって言われるの、とても嬉しいです!更新は不定期になりますが、これからも頑張っていく所存ですのでお付き合い頂けたら幸いです。 (2018年11月25日 13時) (レス) id: 005eaac628 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - コメント失礼します！文章の雰囲気がとっても好きです……！これからも更新頑張ってください！ (2018年11月25日 8時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小蝶 | 作成日時：2018年11月17日 21時
