「4年後 1-2」 ページ8
「A。この後話がある。ここに来い」
チャイムの音が鳴り響き、周りの生徒の弾ける声があちこちからいてくる中。
凛とした先生の声はなお一際輝きを放って、私の耳にへと届いた。
が、それは決して嬉しいばかりのものではない。
あまりにも心当たりが無さすぎたからだ。
「(ここに来いって…)」
確かめるように隣にいたエース達に目を配ると、
ご愁傷様、と言いたげに顔を下げ、
あろうことかペアであるグリムまでも、私を放ってさっさと立ち去ろうとしている。
どうやらさっきの言葉は聞き間違いではないらしい。
「えっちょっとまっ」
どうしていいか分からず、彼らを呼び止めようとしたが、その声は鞭でかき消された。
「仔犬!聞こえなかったか?早くしろ」
私は、どうすることも出来ずに、震える足で踵を返した。
…
「あ、の…話って」
声が上ずり、焦点が合わない。
失礼だとは分かっておきながらも、指の動きが止まらないで、目の前もろくに見れずにいた。
「…はぁ、」
ため息とともに、顎を掴まれる。
「お前は、それで隠しているつもりなのか?」
顔が近い。
まつ毛の影までもが覆いかぶさって、それが揺れるたびに鼓動が早くなる。
声すらも出せずに、情けない鳴き声を上げ、先生とようやく目を合わせた。
が、その頑張りとは裏腹にその口から出た言葉は非常な物だった。
「仔犬、この俺に惚れているだろう?」
別の意味で脈が速くなり、赤がった顔から熱が引いていく。
「(ば…れた)」
ガーンと強く頭を打ち付けられたような衝撃に襲われ、身体がよろめく。
適当に言葉を返せればよかったのかもしれないが、そんな余裕などあるはずも無い。
バレてしまった。一番伝わっていはいけない相手に、この思いが伝わってしまった。
「フッ…矢張りな」
ぱっと手を離され、力なく地面にへたり込む。
「ち…ちがうんです、あの」
気持ち悪がられてしまう。何せ生徒と先生だ。
この思いを叶えるつもりも届けるつもりも無かった。
そう言いたかったのに、間抜けな私の頭は働こうとせず、
ただ単語を吐き出すだけの機械と化していまった。
「4年後 1-3」→←「4年後 1-1」クルーウェル先生夢(リク)感謝です!
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天狐 - リクエスト失礼します、好きな人の為なら何でもするヤンデレリリアをお願いします。 (2020年9月1日 15時) (レス) id: b3e855f7f6 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫さん。 - リクエスト失礼します!ジャミルお相手で恋人設定でヤンデレジャミルのユニーク魔法に見事にはめられてしまった夢主ちゃんをお願いします!これからも疲れない程度に頑張ってください!ユニーク魔法大丈夫でしたかね…? (2020年7月6日 20時) (レス) id: 8f1de045bc (このIDを非表示/違反報告)
☆アスカ☆(プロフ) - こんばんは!リクエストします。リドル相手で、恋人設定で、依存&ヤンデレ系をお願いします_(._.)_ (2020年5月13日 21時) (レス) id: bf7dd3bfe3 (このIDを非表示/違反報告)
虹野原 - このシリーズホント好きです!!これからも応援させていただきます! (2020年4月30日 20時) (レス) id: b53373c841 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - リクエスト失礼します 夢主に一目惚れして告白してフラれ、段々と病んでいってしまうリリア君をお願いします (2020年4月25日 23時) (レス) id: b3e855f7f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ていていて | 作成日時:2020年4月24日 0時