「努力家 1-3」 ページ44
「フフ、少しばかりの密会といきましょう」
彼に腕を無理やり引っ張られ、元の草むらにへと座らされる。
「…いや、本当に大丈夫ですよ」
さっきからずっと何を考えているのか分からない。
「(なんか大金せびられそう…)」
これで法外な対価を要求されても、困ってしまう。
なんとか腕から引き離そうと藻掻くが、ビクリともしない。
「なんでそんなに離そうとするんですか…人が懇切、親切にしているのに」
「これ親切って言うんです？」
「親切でしょう。」
当たり前、と言わんばかりに胸を張る。
「はぁ…私何も対価払えないですよ」
暗にだから離れて帰ってくれという意味合いを込めるも、彼はそれにも動じなかった。
「ええ、もう対価は頂いていますよ」
サラリ、と言いのける。私が一体何を払ったというのだろう。
「貴女との時間を頂いています。対価でしょう？」
ランプに照らされ、笑う彼の顔が嘘かと思った。
「え、これ夢です？」
「夢だと思いますか？」
なら覚ましてあげましょうと顔を近づけきたので、急いで首を振る。
「釣れないお人だ」
二人で、ただ何もない空を見上げて黙り込む。
「(いや、本当に何しに来たのこの人)」
さっきから私は軽いパニックに陥っていた。
彼が私の方にもたれかかる。そうして私の頭の疑問符はマグマのようにあふれ出そうとしていた。
「さっきは、貴女が僕の言葉をろくに待たずに出ていくから…」
拗ねたようなあざとい声を出す。
この寒気は鳥肌だろうか、夜風だろうか。
「良いことを教えてあげましょうか」
「けっこうで」
「ええ、それはそれは。そんなに食いついてもらえるとは」
ダメだ。話が通じない。
諦めて彼の突拍子もない話に付き合う覚悟を決める。
「僕、貴女のことが好きなんです」
「はい？」
…決意表明はわずか数秒後にガラガラと崩れ去っていった。
彼とまともに取り合うだけ無駄かもしれない。というか無駄だ。
頭をもう一回抱え込んで、聞き直す。
「えーと、聞き間違いですよね？」
「いいえ」
「僕、貴女のことが好きです」
告白、というものはもっとこうどちらも気持ちが多少浮つくものではないのだろうか。
なんだか脅されているような気持りになり、顔が青ざめていく。
「ど…して」
好かれる要素なんてあるわけがないというか、そもそも彼が好く女性とはどういう人なのだろうか。まったくもって彼が言っている意味が分からなかった。
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ていていて(プロフ) - 飛鳥さん» ２にての話数が足りなくなってしまったので、3の方でトレイ先輩夢載せさせて頂きます…！お手数ですが3の方にお飛びください…！（再度のリク有難うございます…！） (2020年4月24日 0時) (
レス) id: 07fa99b89e (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またトレイ先輩のリクエストで大変恐縮なんですが、主人公が怒られちゃうお話もし可能でしたらお願いしたいです…。 (2020年4月17日 2時) (レス) id: e991a9fa95 (このIDを非表示/違反報告)
タコのトランプ(プロフ) - とっても素敵なお話ばかりで切なくなったり背筋が冷えたり楽しいです！よければジャミル先輩のを書いてください！お願いします。 (2020年4月16日 18時) (レス) id: 27b3bc46a1 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ - 本当に最高のお話でした..！！読んでいると、切ない気持ちになりました！素敵なお話をありがとうございました(≧∀≦) (2020年4月12日 9時) (レス) id: 2ef73a5082 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ - あと、リクエストお願いしてもいいでしょうか..？可能であれば、レオナさんとのお話をお願いしますm(_ _)m (2020年4月11日 18時) (レス) id: 80b818e3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ていていて | 作成日時：2020年4月3日 0時
