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第20話 ページ21

「はい、みんな同着〜!」

ワザと負けようとしていた剛を途中で抱えて、先を走っていた3人と同じ線上に立つ。

驚いた顔をした剛は段々と輝いた顔になる。
彼は何も言わないが尊敬の目でこちらを見ている。
それに彼女は笑って答える。

「帰ったことを報告して来ますね。」

と行ったと同時に奥から大人の女性が出てくる。

「帰ってきたのね。剛達。」

「ただいま。あの、お姉さんに助けて貰ったんだ。」

女性に剛が話しながら近付いてAの方に顔を向ける。

「…そう。あの人が。」

Aは周りをキョロキョロと見渡していて、彼女は後ろ姿しか見えてない。
そのため、

「貴女、この子達を守ってくれたのね。ありがとうございます。」

「へ?あ、いえいえ。」

背後(うしろ)から声をかけられ、そちらに振り向く。

「_______っ!」

振り向いた時、女性が息を飲むのが分かった。
驚いた表情をする女性。
(しば)しの間にAは少し戸惑った顔になる。

「ご……ごめんなさい。昔、助けて貰った人にあまりにも顔が似ていたから…。思わずあの人が生まれ変わったのかと思ってしまって…そんなはず無いのに。」

静かに笑ってAは答える。

「多分、私の兄でしょう。ここの近くで助けて貰った…のでは?」

「え…。」

相手は少し不思議そうな顔をする。
だってそうだろう。
誰もこの地で助けて貰ったとは言っていないのだから。
ただAには分かった。
この女性がずっとここで生きてきたのだと。

方言というのはどこのものでも独特で、語尾やちょっとしたイントネーションで方言使用者だと分かってしまう。

兄に引き取られて愛知の言葉に少し触れていた彼女だから分かったことなのである。
だからこれは特別なことでは決してない。
そしてお得意の勘だ。

「よく分かったね。あたしはこの地で生まれでずっとここで育ってきたから、貴女の言う通りよ。」

「ああ、兄は就職してから愛知県に住んで居たので。あと、勘でそうかなぁ?って。」

その答えに女性は笑う。

「あは、凄い勘ね。あの子達を助けて貰ったお礼に食べ物でも…。」

少し悲しそうな目でそう話す。
食べ物と言っても残飯のようなものくらい。しかも量は少ない。
お礼にと言ってもいくらなんでもこれは良いのかと迷っているのだ。

「ここに泊めてさえくれれば私は充分です。」

彼女の言葉を(さえぎ)って言う。

それに彼女は申し訳なさげに微笑む。
今夜の宿はここに決まりだ。

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作品ジャンル:アニメ
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Roy(プロフ) - クローバーハートさん» 更新遅くて申し訳ありません!今までより少〜〜〜しだけペースをあげて更新していくつもりなので、気長にお待ち下さい!コメントありがとうございます(・ω・)ノ (2016年5月19日 18時) (レス) id: cff10b5516 (このIDを非表示/違反報告)
クローバーハート - やっと続きが見れるんですね〜!どんどん続きを続いて下さいね!小説読みたいから続きが気になってしょうがないんです〜!(ToT) (2016年5月11日 22時) (携帯から) (レス) id: d08ee1eb1c (このIDを非表示/違反報告)
Roy(プロフ) - ROM民さん» あら〜、ご指摘ありがとうございます(=゚ω゚)ノ今外しました! (2015年11月28日 19時) (レス) id: cff10b5516 (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月28日 19時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Roy | 作成日時:2015年11月22日 22時

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