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皆で走る。広間はすぐそこだった。
Sha「これだよな、大時計」
大時計は5時で止まっていた。無音の広間は、針の音がなくなって初めて、不気味だったと気づく。
Kn「振り子の隙間を通って入れるみたい」
Sm「行こう。狼が来る前に」
Kr「Broooock、先入って。次A」
Broooockに続いて入る。
そこは狭い部屋だった。
歯車の音ばかりがひしめいていて、さらに不気味だ。
そして何より、前方の壁には荘厳な装飾のなされた扉が鎮座していた。
間違いない。願いの鍵を使う扉だ。
Na「っあ、鍵ってこれじゃね？」
Nakamuが、振り子の裏にある鍵を取る。
A「やっぱり、あったんだ…！」
Na「ほい、きんとき」
Kn「あ、はい。スマイル」
Nakamuは鍵をきんときに渡し、きんときはそれをスマイルに受け渡す。
Sm「はい、きりやん」
Kr「俺最後が良かったな、はいシャークん」
Sha「文句言うなよ、はい、Broooock」
最終的にそれは、Broooockの手に渡された。
Br「Aちゃん」
A「何？」
Br「これはAちゃんが使って。もう願いの鍵を使わない選択肢はないから」
そう。外には狼がいて、私を狙っている。
私が喰われない限り、それは続くだろう。
でもそんなの、御免だった。
鍵を使うしか…記憶を失うしか、選択肢はないのだ。
Broooockから鍵を受け取ろうとすると、Broooockががしっと手を握ってきた。
Br「Aちゃん。この鍵を使って、Aちゃんが生きていられる世界に変えて。
それだけで僕ら、もう満足だから」
その言葉に、一瞬当初の願い事が頭をよぎる。
ー…母を消してください
これを達すれば、もう学校に行かなくても文句を言う人がいなくなる。
でも…
でも、私は
A「ありがとう、皆」
荘厳な扉の前に立つ。鍵を鍵穴に差し込んで、回した。
A「7つのパラレルワールドを1つにして、私達があえるようにしてください！」
瞬間、光が私達を包み込む。
オオカミ「お見事だ」
そんな、”オオカミさま”の声が聞こえた気がした。
Br「A！Aちゃん、いいの？」
A「うん！
私達はあえるよ、きっと、助け合える。
だから1つになった世界で、また友達になろう！」
＝＝＝＝＝
ようやっとタイトル回収です。きっと、(助け)あえるよ。
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和日(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» こんなに熱意あるコメントをいただけて光栄です。病気ではないけれど、病気よりも悩ましいものをかかえてらっしゃるのですね、この小説が少しでも救いになれば幸いです。 (4月15日 21時) (
レス) id: 5502199b9c (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 最後です。改めて完結おめでとうございます！この物語が多くの方の記憶に残り、僕のようにその方の支えになれるよう。長文失礼しました。 (4月14日 23時) (レス) id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 続きです。僕の場合はいじめでは無く｢性同一性障害｣という物で、他人に話したら気持ち悪く思われてしまう、でも誰かに認めて欲しい、救って欲しい。そんな思いが会ったからではと思っています。 (4月14日 23時) (レス) id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 僕の大好きな鏡の孤城とワイテルズのクロスオーバー、そこに主さんの文才という欲張りセットみたいなこの物語が大好きです！こんなに大好きなのは、少し主ちゃんと自分と重ねてしまっているからかもしれません。 (4月14日 23時) (レス) @page15 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
和日(プロフ) - ナズさん» ナズ様、コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで光栄です。不登校ということは、お辛い思いもされたでしょう。周りを見て、前を見て、ゆっくり進んでいってください。 (7月30日 13時) (レス) id: 5502199b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和日 | 作成日時：2023年2月4日 12時
