【WT】きっと、あえるよ。【2】

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Sm「明日城に来ないで欲しい？」




Sha「なんでだよ」




A「ちょっと試してみたいことがあるの。皆には、見られたくない」




Br「ふうん…抜け駆け、じゃないよね？」




それは、願いの鍵を探し出すということだと解釈する。




A「違うよ」




Kr「…ま、いいんじゃない？明日だけ、Aの言う通りにしてあげる」




Kn「その代わり、明後日は皆でゲーム漬けだからね？」




Na「約束！」




ああ、ごめんね。




私にその明後日はやってこない。




翌日、仮病で学校を休み、朝10時から城へ行く。




仮病がばれたら母に叱られるけど、私にはそんなこと関係なかった。




皆は約束通り、来ていないようだった。




広間を見渡す。




ここが始まり。”オオカミさま”と逢った場所だった。




廊下に出て、本の間に行く。




ここで初めて皆と出逢い、そして幾度も遊んだ。




食堂へ行く。




ここを見つけてからは、お茶会はここで開催された。




自分の、部屋へ行く。




そして私はおもむろにクローゼットの中へ入った。




体育座りをして、暗い中俯く。




母は、あの人はきっと変わらない。




きっとこれから先も、私を責め続け、苛み続けるだろう。




だからいなくなりたい。我ながら、短絡的な思考だった。




せめて、皆には私の訃報を知っておいてほしかった。




友達だから。




…アオオオオオン




…アオオオオオン




狼が鳴く。




それから暫く経って、また狼が鳴いた。




…アオオオオオオオオオオン




…アオオオオオオオオオオン




より長く、びりびりと体が痺れるような鳴き声だった。




5時が来たのだ。




けれど怖くはない。今から狼に喰われるとしても。




怖くはないのに、涙が出た。




ただ、皆と生きられなかったことが悲しくて。




ただただ、覚えていて欲しいと。




私という友達がいたんだと、覚えていて欲しいと、切に願った。




ばんっ！と大きな音がした。




ああ、狼が来たんだ。




死ぬ覚悟をした、その時…ー

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