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それから私達は、願いの鍵探しをやめた。
その分、本の間で皆で遊ぶことがぐっと増えた。
スマイルはあれから白尾学園に通っているようで、大体私と来る時間が被るようになっていた。
けれど私はと言えば伽羅高校に進学するための試験が待っているので、本の間に自分の机を持って来て、きりやんに勉強を教えてもらう日々だ。
自分の部屋でもいいかとも思ったんだけどBroooockが、きりやんに抜け駆けされるの嫌だし〜 と机を本の間に移動させてきた。
抜け駆けの意味が分からないほど初心でもない。
2人の男子から好意を向けられているという事実に、当時ははにかんで誤魔化した。
「おい、能登。ちょっと手伝ってくれんか」
放課後、運悪く教師に声をかけられて、ホッチキス止めの仕事を手伝わされてしまう。
帰ったときには4時半を少し過ぎた頃だった。
A「ただいま…」
誰もいないはずの家に帰ってきたことを伝える。けれど今日はそれに返答があった。
「A！！これは何！？」
母だった。金切声を上げる母の手元には、一通の手紙があった。
それは私宛の手紙で、中身には罵詈雑言が書き尽くされていた。
伽羅中の、あの子達だ…ー
ご苦労な事だ。あの子達は私の家を特定し、自転車で30分かけてこの手紙を投函したのだ。
でもこれで母にはいじめの件が明らかになった。事態は好転するだろう…
そう、呑気にもそう思っていた。
「あなた、何をしたの！！！」
その言葉に、息がひゅっと鳴った。
何をされたの ではなく、何をしたの
母は、この人は、私が何かをしたと思ってるんだ。
その瞬間、私は母の手元にある手紙を破れるのも構わずむしり取り、二階に駆け上がった。
「待ちなさい、話はまだ…」
ばたんっ！！
母の声が途切れる。そして制服のまま鏡の中に飛び込んだ。
城には誰もいなかった。時間的に、もう皆帰った後なのだと察する。
オオカミ「何の用だ？」
目の前には”オオカミさま”がいた。
私は手を床につけて、蹲る。
A「聞きたいことがあるの」
オオカミ「なんだ」
A「…狼に喰われるのは、”その日城に来た子”だけ？」
オオカミ「…そうだ」
私は、泣きながら笑った。
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和日(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» こんなに熱意あるコメントをいただけて光栄です。病気ではないけれど、病気よりも悩ましいものをかかえてらっしゃるのですね、この小説が少しでも救いになれば幸いです。 (4月15日 21時) (
レス) id: 5502199b9c (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 最後です。改めて完結おめでとうございます！この物語が多くの方の記憶に残り、僕のようにその方の支えになれるよう。長文失礼しました。 (4月14日 23時) (レス) id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 続きです。僕の場合はいじめでは無く｢性同一性障害｣という物で、他人に話したら気持ち悪く思われてしまう、でも誰かに認めて欲しい、救って欲しい。そんな思いが会ったからではと思っています。 (4月14日 23時) (レス) id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 僕の大好きな鏡の孤城とワイテルズのクロスオーバー、そこに主さんの文才という欲張りセットみたいなこの物語が大好きです！こんなに大好きなのは、少し主ちゃんと自分と重ねてしまっているからかもしれません。 (4月14日 23時) (レス) @page15 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
和日(プロフ) - ナズさん» ナズ様、コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで光栄です。不登校ということは、お辛い思いもされたでしょう。周りを見て、前を見て、ゆっくり進んでいってください。 (7月30日 13時) (レス) id: 5502199b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和日 | 作成日時：2023年2月4日 12時
