【WT】きっと、あえるよ。

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Na「えっ」




Nakamuにそう尋ねると、Nakamuは何故か、まずい という風な表情を見せた。




Na「あー、ええっと…」




Nakamuはちらりと皆の方を見る。皆はゲームを片付けていて、私達の会話を聞いてはいないようだった。




Na「ちょ、ちょっとだけだから」




何故か言い訳のようにNakamuが言って、少し俯く。その表情は暗いような気がした。




そういえば、スマイルと挨拶を交わしてない。




スマイルに近づくと、本に落ちた影に気づいたのか、スマイルが顔を上げる。




Sm「何？」




A「おはようスマイル、お菓子持ってきたけど食べる？」




Sm「はよ、食べる」




ぱたんと本を閉じて、スマイルが立ち上がる。




A「その本、この本の間にある奴？」




Sm「いや、俺が持ってきた。ここ、童話とかしかないよ」




そうだったんだ。確かに本棚には、”人魚姫”や”シンデレラ”と背表紙の書かれた本があった。




その中には”赤ずきん”もあった。




Kn「お待たせ、じゃあおやつの時間にしようか」




車座になって皆好きなようにお菓子を開けて食べる。




ただ、隣に座るNakamuだけが、どこかぎこちない様子でお菓子をつまんでいた。




A「Nakamuって、甘いもの、もしかして苦手だった？」




Na「え、いや…」




Br「無理して食べることないよ、僕もクリーム系はちょっと苦手」




無理して食べさせてしまっただろうか。さっきも少し、表情が暗かった。




Kr「しょっぱいのがいいならうちからせんべい持ってこようか？」




Na「いや、その…」




沈黙が流れる。そしてNakamuが小さな声で言った。




Na「…男なのに甘いもの好きなんて、おかしいでしょ」




Nakamuの発言に、誰ともでもなく




「「「何が？」」」




声が重なった。全員の声が重なったようにも聞こえた。




Sha「いーじゃん、別に」




Sm「男だからとか、くだらない」




Kr「俺も甘いもの好きだよ」




Br「女の子でも甘いもの苦手とかあるだろうし」




Kn「別に男が甘いもの好きだって良くない？」




A「何か変？」




私達の反応にNakamuは何か応えるわけでもなく…




Na「…っ」




涙を流していた。

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