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# ページ11

hk


今日帰って来たらちゃんと話をしよう。俺は洗濯物を干しながらそう考えた。

だけど…もし別れようって言われたらどうしようか。俺の居場所はここ以外にない。
怖い。だけど話をしない限り、今のモヤモヤした感情はきっと消えないだろう。

ホントに怖くなって、逃げ出したくて、俺は目的もなく家を飛び出した。


光「…どこ行こ」


反抗心で家を出てしまったものの、今は手ぶらだし、俺は友達すらいない。
とりあえず日差しが暑かったので、室内に行こうと、ショッピングモールに入った。

好きな雑貨屋さん。薮と2人でよく来たっけ。お揃いのマグカップ、ここで買ってもらったな。

大きな家具屋さん。一緒に住み始めた頃、薮の給料が入るたびにここで家具を選んで買ったっけ。薮の家具を選ぶセンスは微妙だったな…

ちょっとお洒落なレストラン。パスタが美味しくて、一緒に食べたな。薮のほっぺにソースがけすっごいついてて、なんでそんなにつくの、って2人で笑った記憶がある。

あ、ここはゲームセンター。薮に連れられてプリクラ撮ったなあ。目が大きすぎて怖かった…。

なんだよ俺、薮のことばっかり。
せっかく家から出たのに、頭に浮かぶことは薮のことばっかり。
でもしょうがないじゃん、俺の人生薮ばっかりだから。

薮が、薮が…薮のせいだ。
薮のせいで俺薮のことしか考えられなくなっちゃったよ。
薮の馬鹿野郎。


光「俺…薮ともう、ここ来れないのかな…」


ベンチに座りながら考えてたら、またさっきの不安が蘇って。

俺、どうするのが正解なんだろう。

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作者名:れもん。 | 作成日時:2018年5月27日 17時

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