母の姿 ページ19
『もしもし？ママ？Aね、今日のテスト100点だったのよ！』
＿＿＿＿「だからなに？そんなことで電話してこないで。ママは忙しいのよ」
電話口から聞こえるママの声はいつも同じ。
低くて、早口で、冷たかった。
『ママ。A、カヌレ作ったの。ママにも食べてもらいたい』
＿＿＿＿「あんたは呑気でいいわね。そんな暇があるなんて羨ましいわ」
Aを見て欲しくて、興味を持ってもらいたくて
私にはなかった家族の時間が空いた分を使ってたくさん技術を身につけた。
料理もした。裁縫もした。絵も描いた。
なのに、ママはやっぱり私に興味がなかった。
ママの仕事が楽になったら私と一緒にいてくれるのかな。それなら、私はママを手伝いたい。
そう思って、大学は経営学を学んだ。
『私、卒業したらママの会社で働きたいの。だから、紹介状を書いて欲しい』
＿＿＿＿「ダメよ。そんなの許さないから。絶対にダメ」
私は成績も優秀で非のうちところのない女。
なのに、ママは一緒に働くことを許してくれなかった。
人生で初めてママと大喧嘩した。
ムカついた私は大学を中退して大手化粧品メーカーに務めてスピード出世をしてチーフという地位についた。
＿＿＿＿「お見合いしなさい。ママの会社の副社長よ。良い人だから。」
それだけを伝えてきれた電話。
言われた場所に時間通りに行けば身長の高いとてもかっこいい男性がいた。
JN「あ、初めまして！キムソクジンといいます。
会長の娘さん…ですよね？」
『…ええ。』
JN「会長に似て、美人さんですね」
きっと、彼は褒めたつもりなんだろうけど私にとっては地雷だ。
『ふふ、あまり嬉しくない言葉ですね』
JN「え…っと、すみません…」
『この話は無かったことに。私、今結婚とか考えてる暇ないんです』
JN「あ、その事なんですけど実は僕もお断りしようと思ってて。よかったです。変に傷つけるようなことがなくて」
お互いその気もなかったお見合い。
それでも母親によって作られたこの時間は過ごさなくてはならない。
仕方なく、私の知らない間の母を知ってるジンさんに母親の話を聞いた。
JN「本当に非のうちところのない人ですよ。仕事は完璧ですし容姿端麗ですし」
そう聞いて私は変なのと思ったの。
だって、彼女には最も欠けた部分があるから。
母親としての仕事を全うできない人だもの。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 190人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゃけ(プロフ) - みーさん» またまたコメントありがとうございます！ユンギ、かっこいいですよね(＞＜) 最後まで応援ありがとうございました！ (2021年3月27日 12時) (
レス) id: a4bf069354 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 今日最終章までありがとうございました、ユンギペンなので最後花嫁を奪うかんじかっこよかったですです！楽しく最後まで読ませていただきありがとうございました！ (2021年3月27日 2時) (レス) id: be93945979 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - みーさん» ものすごく褒めていただき嬉しい限りです(＞＜) ありがとうございます！ (2021年3月25日 23時) (レス) id: a4bf069354 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - めちくちゃ、面白いです！！普通すぎるコメントでごめんなさい。赤星に早くなってもらいたい、赤星レベルの作品なのに！ (2021年3月25日 23時) (レス) id: be93945979 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゃけ | 作成日時：2021年2月18日 1時
