Prologue 1 ページ1
「この役立たずが!!」
ちがう。
「なぜ言われたことができない!!なぜ、“あやめ”の足を引っ張るんだ!!これ以上邪魔をするのはやめてくれ!」
どうして。
『わ、私はただ…!』
「言い訳はもう飽きた!また、あやめに何かされたと変なことを抜かすのはもうやめろ!」
何も聞いてくれないの。
「私は、お前に期待をかけすぎてしまったらしい」
どうしてッ…
ーある日、全てどうでも良くなってしまったー
私は4人家族の長女として生まれた…厳密には、養子に取られた。
生みの親は事故で死んでしまい、引き取った今の両親は、私に残った遺産目当てで引き取った。
それに、気づいたのは小学四年生の時…偶然義母が電話をしているのを聞いてしまった。
『ただいまー…あれ、お母さん?』
おかえりと言う声が聞こえなくて不思議に思いながらリビングまで向かうと
「〜〜〜〜〜〜」
『?おかあさ…』
「え、あぁ…引き取ったあの子?いい感じにお金振り込まれて万々歳って感じー。パパは少し気にかけすぎかなーとも思ってるけどウチの子じゃ無いのにのに〜」
“ウチの子じゃ無い”
その言葉が今でも頭にこびりついてる。
私に隠す気が無いのか、親がいない時に調べたらすぐ出てきた証拠。
今まで感じていた謎の違和感が解消されて、何故か悲しかった。
それから少しして妹が生まれた。それがあやめだ。その時私は小学五年生だ。
そして数年、その子が成長するたび自分の時の扱いと差を感じて、惨めに感じ反抗期ということもあり親とよく口論になりぶつかっていた。
だけど、あやめと比較される事をどんなに言われても、どんなに言い返しても私の心が埋まることはなくて…もう、限界だった。
『〜ッ私は貴方たちの本当の娘じゃ無いから!実の娘と比べて出来も劣るでしょう!遺産目当てで引き取った私が邪魔なら、いっそ捨ててくれればよかったのに!』
「「!?」」
『最近、私の名前を呼んでくれたことなんて一度もないくせに…!両親ぶって説教してこないでよ!』
「いつ、それを…!」
「うそ、気づいて…」
義両親はとても動揺していた。そんなん知ったこっちゃない。
私は駆け足で部屋に閉じこもった。
義両親は追いかけて来なかった。
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作者名:しゃけ | 作成日時:2023年9月9日 1時