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次の日Aが目を覚ますと、太陽はすでに昇っており、何が起きたのか分からないAは慌てて飛び起きる。

「え、…え?」
「…起きたか」

そう言って書き物をしていた手を止めてAを振り返った義勇は、「おはよう」とほんの少し表情を柔らかくする。

「え…あれ、私昨日…」
「…逃げなかったな」

コトリと筆を置いてAに近付いてきた義勇は、そう言って、優しくAの頬に手を添わせる。

「…はい。でも私、なんだか記憶が…」

昨夜覚悟を決めて寝室で待っていたAは、緊張しすぎて会話もままならないAを見かねて、義勇が用意してくれたお茶を口にしてから先の記憶が、全くなかった。

「…え、もしかして私…」
「気持ちよさそうに寝ていた」
「えっ、じゃあ昨日は…」
「何もしてない」
「え…、で、でも私、本当に覚悟を決めて、ちゃんと本当に、」
「分かってる。眠らせたのは俺だ」

このままじゃ自分の気持ちを分かってもらえない、と焦るAをたしなめた義勇は、ゆっくりと立ち上がりそのまま羽織を羽織る。

「…お互い、朝から任務だ。任務に支障が出ては困る。それに俺は…、ただ、お前の気持ちを確かめたかっただけだ」

そう言ってAの唇を指先で何度か撫でた義勇は、「行ってくる」と言って部屋を出て行ってしまう。

「え…、」

何がなんだか分からないながらも、Aは久々に見た義勇の優しげな表情に、胸の奥がきゅっと苦しくなるのを感じる。

「義勇さん…」

やっと、やっと、本当の意味での恋仲になれたのだ。
この上ない嬉しさと幸せに浸っていたい気持ちは山々だが、Aもすぐに出なくては任務に間に合わなくなる。
急いで準備をして屋敷を出る頃には、幸せだった気持ちは奥に押しやり、これからの任務のことだけを考えていた。

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チーズ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございますー!!不器用、じれったいをモットーにして書いたものなので、そう言っていただいて嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございます! (2019年12月17日 21時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 義勇さん不器用すぎていつ、くっつくんだ!早くくっつけ!クソッ!!見てるこっちがなんかアレだ!!(語彙力) 面白い!! 完結おめでとうございます! (2019年12月17日 20時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - たまごさんさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございます!!そうだったんですね!嬉しいです!次作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月1日 7時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - はああ・・・やはり良きです・・・完結おめでとうございます!!無惨様の作品は知らず知らずのうちに見ていました!!好きだなあと思って、作者誰だろ?と下にスクロールしたらまさかの・・・。僭越ながら次作でも応援させていただきます!! (2019年12月1日 0時) (レス) id: 8760f7a678 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、最後までお付き合い頂きありがとうございます!ぜひ書かせていただきます(^^)もうしばらくよろしくお願いします! (2019年11月30日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月13日 13時

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