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Aがひたすら岩を持ち山を登り降りすること数日。
やっとその修行にも慣れてきた頃、Aは炭治郎と共に、左近次から全集中の呼吸というものを教わることになった。

「身体の隅々まで酸素が行き渡るよう…」

左近次の説明を聞きながらAは、やはり義勇が自分にこの呼吸を教えてくれなかったのは、私が鬼殺隊に入ることを良しとしていないからだろうか、と気持ちが重暗く沈んでいくのを感じる。

「やってみろ」
「はい」

Aと炭治郎が深呼吸のようにして呼吸を繰り返すと、「お腹に力が入っていない」と言われ、Aと炭治郎は慌ててお腹に力を込める。

「炭治郎!」

隣で思い切り炭治郎がお腹を打たれているのを見てさらにお腹に力を込めたAは、だんだんと鼓動が早くなり身体が熱くなっていくのを感じる。

「A、その調子だ」

そう言ってお腹に手を当てられたAは炭治郎のように打たれるのかと思って身体を硬くするが、そうではないようで安心して呼吸を続ける。

「この状態なら、腕にもいつもより力がこもる。打ってこい」

そう言って竹刀を渡されたAは、竹刀を構えて待ち構える左近次に渾身の力で打ち込む。

「悪くない。もっと踏み込め」

言われた通りぐっと足に力を込めて踏み込むと、Aは竹刀が当たった感触が今までで一番強いのを感じ、あまりの衝撃に竹刀から手を離しそうになる。

「いいぞ!この調子で腕を鍛えていけば、お前はもっと強くなれる」
「ありがとうございます!」

左近次に褒められて嬉しそうな笑顔になったAは、「どうしよう、褒められちゃった!」と後ろの炭治郎を振り返る。

「本当にすごいよ、A。俺よりずっと細いのに…」

対する炭治郎はまた左近次にお腹を打たれて、「ううっ、」ととてつもなく痛そうな声をあげる。

「A、今の呼吸をずっと続けられるように鍛錬しろ」
「…これを、ずっとですか?」

今の短時間でも全身が疲れて辛いのに、と思いながらAがそう問い返すと、「お前は義勇に勝たねばならんのだろう」と言われ、Aは先日見た義勇と左近次の打ち合いを思い出す。

「頑張ります…」
「全集中 常中は、柱への第一歩だ」
「…柱…」
「柱である義勇と共に居たいなら、同等の強さを身につけるしかない」

そう言ってAの頭をひと撫でした左近次は、「お前ならやれる」と期待とも断定ともとれる言葉をAにかけて、すぐに炭治郎のもとへと離れて行ってしまった。

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チーズ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございますー!!不器用、じれったいをモットーにして書いたものなので、そう言っていただいて嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございます! (2019年12月17日 21時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 義勇さん不器用すぎていつ、くっつくんだ!早くくっつけ!クソッ!!見てるこっちがなんかアレだ!!(語彙力) 面白い!! 完結おめでとうございます! (2019年12月17日 20時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - たまごさんさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございます!!そうだったんですね!嬉しいです!次作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月1日 7時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - はああ・・・やはり良きです・・・完結おめでとうございます!!無惨様の作品は知らず知らずのうちに見ていました!!好きだなあと思って、作者誰だろ?と下にスクロールしたらまさかの・・・。僭越ながら次作でも応援させていただきます!! (2019年12月1日 0時) (レス) id: 8760f7a678 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、最後までお付き合い頂きありがとうございます!ぜひ書かせていただきます(^^)もうしばらくよろしくお願いします! (2019年11月30日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月13日 13時

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