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任務帰りに偶然通りがかった村で、鬼に襲われているAという少女を助け、置いていかないでというあの目に抗えず屋敷に連れ帰ってから、はやひと月。
「義勇さん、おかえりなさい。夕食の準備ができてますよ」
自然と俺の生活の一部に馴染んでしまった彼女は、鬼殺隊の柱としての任務に忙殺される俺にとって、もはやなくてはならない存在へとなってしまっていた。
「…鮭大根」
「はい。先日お作りした時に喜んでらしたので、もしや好物なのでは、と」
おまけに洞察力もあるときて、言葉を発することが好きではない俺にとっては、この上なく心地よい存在だった。
「明日は、泊りがけの任務になる」
「では、まだ余っている鮭で、明日のためにおにぎりをお作りしますね」
「ああ」
鮭大根を口へと運ぶ俺を目を細めて微笑みながら見つめる彼女の涙を、俺はまだ一度も見たことがない。
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チーズ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございますー!!不器用、じれったいをモットーにして書いたものなので、そう言っていただいて嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございます! (2019年12月17日 21時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 義勇さん不器用すぎていつ、くっつくんだ!早くくっつけ!クソッ!!見てるこっちがなんかアレだ!!(語彙力) 面白い!! 完結おめでとうございます! (2019年12月17日 20時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - たまごさんさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございます!!そうだったんですね!嬉しいです!次作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月1日 7時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - はああ・・・やはり良きです・・・完結おめでとうございます!!無惨様の作品は知らず知らずのうちに見ていました!!好きだなあと思って、作者誰だろ?と下にスクロールしたらまさかの・・・。僭越ながら次作でも応援させていただきます!! (2019年12月1日 0時) (レス) id: 8760f7a678 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、最後までお付き合い頂きありがとうございます!ぜひ書かせていただきます(^^)もうしばらくよろしくお願いします! (2019年11月30日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月13日 13時