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まるからすばるくんの話なんか聞きたくない。
名前だって言わないでほしい。
なのに、俺はあほやから、
あの笑窪が見たくて、
一瞬でもその笑顔がすばるくんが奪えてる、って。
俺のために向けられたらものだから。
俺はあほやから。
どんどんまるを好きになっていって。
だけどそれに反比例するように
俺の気持ちから離れていって。
まるはすばるくんを好きになっていって。
何度も諦めようって。
だけど、想いは簡単に止められなくて。
もう心から溢れるくらいになっていって。
元から片想いって分かってたから。
こうなる、って分かったから。
だから、…だから。
俺はこの気持ちが言えなくても、叶わなくても。
この気持ちが大切だと思うから。
｢ りょうちゃん。｣
何度も何度もその声が頭に流れる。
まるに会いたくなって。
声が聞きたくなって。
俺は罠にハマるようにまるの隣に居座っている。
そして、また聞きたくない話、名前がこぼれ落ちて。
自分が苦しくなる。辛くなる。
俺はあほや。
分かってる。
なんで、俺を見てくれないん。
その笑顔は俺に向けられないん。
俺の名前をもっと呼んでくれないん。
どうして、すばるくんを見てるん。
どうして、すばるくんには笑顔を向けるん。
どうして、すばるくんは名前をたくさん呼ぶん。
俺の方が、
…俺の方が、先に好きになったのに。
｢ あ、すばるや。｣
俺の横でそう言えば、
俺は一切視界を入れずに遠くをみている。
その横顔を見れば分かる。
俺がまるを見る顔と一緒。
だから、俺がまるを想っていると同じくらい、
まるはすばるくんを想っている。
だから、俺じゃもうだめなんだ。
俺じゃあかん。
俺はまるの笑顔が一番好きで。
その笑顔を見れるのはすばるくんがいるから。
俺じゃその笑顔を作り出せないから。
だから、…
まるのその幸せな笑顔を見続けたいから。
だから。
｢ ほら、｣
俺はまるの腕を軽く握った。
そして、少し躊躇ってから。
｢ 行ってこいや。｣
俺はこの苦しい、溢れ出しそうな思いを閉じ込めるために、にい、と必死に泣きそうな笑顔を浮かべた。
そしてこの離したくなかった、
手放したくなかった腕を軽く力弱く押した。
幸せになれや。
**
終わり
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4423(プロフ) - はじめまして！ほほえみ最高ですね♪この切ない感じがまた好きです。…リクエストいいですか？ほほえみで今度は丸ちゃんの片想い系がよんでみたいです！出来たらよろしくお願いいたします！ (2017年11月1日 20時) (
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作者名：Natsume | 作成日時：2017年11月1日 14時
