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「 俺は独占欲強いすばるくんも好きやで？」
と、抱きしめながら相手の頭を何度かぽんぽん、しながらそう言う。
「 だから、ちゃう言うてるやろ、」
と、俺の一言で少しだけ怒り始めて、
俺の胸におさまっていたすばるくんはあっさりと俺から離れてしまって。
「 ええ、…俺は意外と強いんすよ、」
と、自分の唇を何度か触りながら相手に伝える。
「 は？何言うてんねん、」
と、俺の呟いた言葉に不思議そうに首を傾げた。
「 …こういうこと。」
俺は再び相手の右手をこちらに引き寄せて、
今度は頬にではなく、
相手の身長に合わせて唇を重ね合わせた。
「 ん、」
と、吐息の音が部屋に響いた。
そんなことに構わず俺は必死に目を瞑っている彼の後頭部を抑えて、舌を絡め始める。
俺はしゃがんでいた体制を普通に直した。
そうすれば、相手は背伸びをして、
必死に俺に合わせようとする。
こんな姿が可愛くて、
俺はもっと追い詰めたくなって。
そして、少しの間唇を重ねて、
す、といやらしく音を響かせながら唇を離して。
「 こんな、可愛い姿他の人に見られたくない。」
と、相手を真っ直ぐ見つめて、
微笑みながらそう言った。
そして、自分が付けていたピアスを外して、
相手から貰ったピアスを耳につけて、
そして、目立つように髪を耳にかけてみせて。
「 もう、離れられへん。」
何度か、そのピアスを触ってにい、と歯を見せて微笑んで。
「 …っ、あほ 」
と言って、赤く染めた顔を隠すように、
相手の胸に自分の顔を埋め、
決して抱きしめてるわけじゃないと意地を張るように相手の背中には手を回さないで。
「 ほんま、…好きやで、すばるくん、」
相手の態度を見て、口角を上げて、
頬を何度か掻いたあとに、
仕方ない、と呆れてふ、と息を吐いてから
相手の背中に腕を回して、
その自分の胸にすっぽりと収まる彼を優しく抱きしめた。
少しすれば、
身体の横に付いていた相手の手は、
ゆっくりと相手の背中に回った。
「 …誕生日おめでとう 」
と、小さく呟いた。
そして、真っ直ぐ俺の顔を見つめた。
本当に仕方ない人だ。
もう分かってる。この人のサイン。
してほしい時の顔。
俺は相手の思い通りに、
その唇にキスを落とした。
**
終わり
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作者名：Natsume | 作成日時：2017年5月16日 1時
