メガネちゃんと王子様っ！ (ページ10)

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幸い、この後は授業がないから私はとことん探した。
廊下もゴミ箱も教室も。
絶対ある訳ないけど、一応ってことで女子トイレも1つずつ個室に入って探していれば聞き覚えのある声に慌てて個室の鍵を閉めた。

RA「ほんとあの地味メガネ使えない。」

「それな笑笑」

中に入ってきたのは、やっぱりリアナちゃんだった。隠れて正解。ってか、私のいない所でもボロくそ言われてたんだ…。

RA「まぁ、私でさえ連絡先貰えないんだからアイツなんて余計に貰えないだろうけど。」

「うける笑なんで行かせたの笑笑」

RA「地味メガネを相手したあとに私が会いに行けば比較されて私が引き立つでしょ？」

「さっすがリアナ様！笑」

ｷｬﾊﾊﾊﾊって女子特有の笑い声がトイレに響いた。
何となく分かってはいたけどいざ耳に入ると辛いな…。

RA「でも、もっといい物が手に入った。」

「ジョングクってマンボー好きなのかな？笑」

え？マンボー…って…！

ﾊﾞﾝｯとドアを開けてリアナちゃんたちの方を見れば彼女の右手にマンボーのキーホルダーがあった。

RA「なっ、あんたいたの？！」

『り、リアナちゃん！それ！』

RA「っ！…なに？私が買ったのよ。グクとお揃いの…」

『ち、ちがう…よ。それ、ジョングク君の大事なものなんだ…返して、あげて』

初めて、逆らったかもしれない。
今日は怖いことばかりだ。下を向いてスカートをｷﾞｭｯと握りしめた。

RA「……は？あんた、グクのなんなわけ？」

肩を掴まれて、そのまま私はトイレの個室へと押し込められる。
外側からつっかえ棒でドアがあかないよう固定されたのかビクともしなかった。

『お願いします！出して！〜〜っ！』

ﾊﾞｼｬｧｧﾝと上からかかったのは水だった。
全身びしょ濡れになって最後に聞いたのはリアナちゃんたちの笑い声。

はぁ、どうしよう。
慌てて探しに来たからスマホなんて持ってないし…
私、朝までここにいなきゃいけなくなるのかな……。