メガネちゃんと王子様っ！ (ページ27)

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『ちょ、ホソク先輩っ…！こ、ここって…』

HS「ん？俺の家だけど」

そんな当たり前みたいに言わないでよ…！
ここ、めちゃめちゃ有名な高級家具店じゃん！

８階建ての大きなビルに手を引かれて入れば中にいたスーツの男性がホソク先輩を見るなり低く頭を下げた。

「お帰りなさいませ、ホソク様」

HS「応接室って予定ある？」

「いえ、本日は代表はこちらによる予定は無いので1日空いております。」

HS「ん。俺が使うから誰も近寄らせないこと」

「かしこまりました。全体に伝えておきます」

男の人はすぐにインカムで今のことを伝えに行った。
その様子を見ていればまたｸﾞｲｯと腕を引かれてエレベーターへと乗り込む。

この家具屋さんはこれだけ立派な建物なだけあって外観こそよく見ていたけれど入ったのは初めてだった。
思っていた通り中はすごく豪華で目に入る数字は見たことの無い桁。

エレベーター内の鏡に映るのは王子様のようなホソク先輩に掴まれる地味メガネの私。
あぁ、やっぱり嫌だ。こんな惨めな姿で彼の隣に立つなんてすごく申し訳ない…。

ﾁｰﾝという音ともに開いたドアからホソク先輩と一緒に出ると奥にある応接室と書かれた部屋に入る。

中には高級ソファと高級テーブル
その他諸々とキラキラと高級感漂う家具が沢山。

HS「はい、座って」

『む、無理です！こんな高そうな椅子座るなんて絶対無理！』

HS「…うちのブランドに座れないっていうの？」

『へ…ホソク先輩の家のブランド…？』

はぁ、とため息をつきながらソファに腰を下ろすホソク先輩。

HS「当たり前でしょ。自分の家のブランドを自分たちが使わないでどうするの。ほら、早く！」

ホソク先輩に急かされて恐る恐る先輩の向かいのソファに腰を下ろせばｽﾞﾝｯと沈むほど柔らかなそれについｷﾞｬｯと可愛くない声が出た。

それを見てあははってお腹を抱えて笑う先輩。
恥ずかしいったらありゃしない。

HS「あ、お客様に飲み物くらい出さなきゃ」

『いや！平気です！水筒の水がまだ残ってますから！』

HS「だーめ。紅茶飲める？コーヒーとかの方がいい？」

室内完備された受話器を取って聞いてくるから慌ててコーヒーでと答えた。

紅茶なんて飲んだことないもの。

HS「え？！」

『え？』

HS「紅茶飲んだことないの？！」

あ、声に出てた…？