隠してました。part４ (ページ6)

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お兄ちゃん、いるよ。ページ6

シ「はいカット！お疲れ。」

夕方６時。

やっとスパルタ強化特訓会が終わった。

あちこち痛いんですが...。

手「(人1)、可愛かったわー。ポーポーポー！」

小「うん、君はいつも元気だな。」

いつの間に帰って来たのか、てごにゃんと慶ちゃんが
座って見ていた。

私...二人に気づかないくらい集中してたんだ。

増「お疲れ、(人1)。」

あ「あ、まっすー。」

私たちが演じるのは、スペシャルドラマ『兄妹』の
兄健太と妹葵役。

禁断の兄妹愛に健太は諦められないけれど、
葵は兄を守る為に自分の気持ちを隠して家を出てしまう。

でも、健太の想いはそれでも抑えきれず、
葵を探して見つけ出すの。

そんな健太に葵の想いも抑えられず、二人は両想いになる。

たくさんの壁を乗り越えて、二人の想いはひとつに
なるんだ。

あ「私...葵をうまく演じられてるかな？」

少し心配になった。

あ「私は兄なんていたことないから妹の気持ちが
分からないし、それに、恋だってまだだから...。」

何も経験したことがない私にとって、
葵は憧れだ。

憧れをどう演じたらいいのか、分からない。

増「何言ってんの。兄はいるじゃん。」

その言葉に、私は思わずまっすーを見つめた。

私に兄が？

私の視線に、まっすーはにかっと笑った。

増「俺っ！この家では、俺が(人1)のお兄ちゃんでしょ？」

あ「！」

そうだ。

私には今、お兄ちゃんがいる。

恋はまだでも、まっすーに恋する女の子の気持ちは
十分分かる！

あ「まっすー、ありがとう！」