生き人形の私と我が主 ページ2
ある所に貴族の真似事をしている者たちが住んでいました。人々は誰もその者たちの顔を知らない。なぜなら顔がないからだ。そこで"シャドー家"は彼らの顔として"生き人形"を従えることになりました。
貴方『おはようございます!イヴェット様!』
イヴェット「んっ…ああ。おはようイヴ」
彼女の名前はイヴ。イヴェットに仕えている生き人形だ。シャドー家であるイヴェットは黒く顔が見えないため煤が出るので定期的に掃除をしなければならない。
イヴェット「イヴ。僕は風呂に行ってくる」
貴方『はい。いってらっしゃいませ』
彼女が戻ってくる前に部屋の全てを綺麗に掃除しなければならない。屋根にまで煤が飛んでいるため足場を作り掃除をする。
イヴェット「イヴ。掃除は終わりそうかい?」
貴方『あっイヴェット様。今日はお早いですね』
イヴェット「あぁ。少しやりたいことがあってね」
貴方『やりたいこと…ですか?』
イヴェット「少しここに座っておくれ」
貴方『え?は、はい』
彼女に促されいつも彼女が座っている椅子に腰掛ける。彼女はイヴの髪を使って色んな髪型を試していた。
イヴェット「君がここに来て数日が経った。慣れてきたかい?」
貴方『はい!少しずつですが掃除が効率よく出来るようになりました!』
イヴェット「そうか。それは良かったね」
それからというものイヴェットは本を読んだりなにを書いたりしている。そしてそうしている間にもうすっかり夜へと変わっていた。
イヴェット「僕はもう寝るよ。イヴも早く寝るんだよ?」
貴方『はい。おやすみなさいイヴェット様』
ここではシャドー家がおやすみになる時は必ずおやすみのキスをするルールなのだ。なぜこのようなことをするのか彼女たちにもわからない。
煤取りの間を挟んで階段を降りると彼女の部屋がある。彼女はボードに貼ってある紙を手に取りいつものようにそれを読み上げる
貴方『大事なこと。シャドー家は素晴らしい貴族である。生き人形はシャドー家に仕えることが幸せである』
これは我ら生き人形に必要なこと。シャドー家に仕える者として余計なことを考えてはならない
貴方❨明日もイヴェット様のために頑張らなきゃ❩
そう誓って彼女は硬いベッドに潜り込み眠りに落ちていったのだった。
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作者名:璃兎華 | 作者ホームページ:http://naofuml_yume
作成日時:2023年12月29日 18時