セイフク期限【Soya I】

Limit 11 * you ページ11

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___「Aちゃんは好きな人いる？」




ヘラヘラと笑っていた大昇くんの表情が真剣なものに変わって、


しばらく考えたこともなかったことを聞かれた。




『……いない、かなぁ、』




ちらりと浮かんだ、“ とある人物 ” の顔。


いやいや、あれはあくまで初恋で、今は違う。




「ほんとですか？おじょーさん、」


『お嬢さん、って何？』


「……何となく？」




なんだいないのか〜！つまんな〜い！と再びおちゃらけた表情に戻って、頭の後ろで手を組む。




『何、たいしょーくんはいるの？』


「うん、いるよ」


『え！誰誰！』


「……Aちゃんには教えてあげない」




えー？！聞いといてそれ？！と文句を言うと、


あ、そろそろ暗くなってきたし帰る〜？と話題を逸らされる。


自分の周辺の恋バナが無い分、気になる。




『ほんとに教えてくれないの？』


「うん、だって知ったらAちゃん困っちゃうもん」




だからまだ内緒ね、と人差し指を私の唇に当てた。


尚更気になるじゃない！


……あ、もしかしてユウちゃんとか？


修学旅行も一緒に周りたいって言ってたもんね。


なんだ、そんなことなら協力してあげるのに。




「ここで大丈夫？」


『うん、じゃあまた明日』




大昇くんと別れて、ふと考える。


私の好きな人、




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