セイフク期限【Soya I】

Limit 17 ページ17

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___「おはよ、Aちゃん」


『あ、たいしょーくん』




Aちゃん、たいしょーくん、


昨日までのよそよそしさはどこかへ行って、


親しげに会話を弾ませている。




「また誘ってもいい？」


『あ、うん、』




盗み聞きなんて趣味が悪いけど、必死になって何が悪い！


だって、渡したくない。


ぽっと出のクラスメイトなんかに渡してたまるか、と密かに対抗心を燃やした。


……だからといって何か、出来るわけじゃないけど。




『……ね、そーや、』


「ん？」


『今日、たこ焼き行こ』


「え？あ、うん」


『いやなの？』




その顔はなんですかそーやくん、と、俺の頬を抓る。


すねたような顔、……なんで、そんな顔すんの。




「嫌じゃないよ、行こ」


『やった、ねぎ塩なんたら食べたかったんだよね〜』




こっそりと、小さくガッツポーズをすると、俺たちをじっと見ていたさくちゃんに肩を叩かれる。


昨日は、涼くんたちに邪魔されちゃったけど、今日こそは！と意気込んた。




「ねぎ塩なんたらって何？」


『期間限定なんだって、』




今日の授業は、頑張れそう。


だけど、果たして俺の思いは伝わるのか、どうか。




『何こっちみてニヤニヤしてんの、』


「そんなことないよ？」




さくちゃん、ニヤニヤしないでくれない？




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