セイフク期限【Soya I】

Limit 14 * you ページ14

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___『瑞稀くん、ちょっといい？』


「いいよ、どうしたの？」


「俺は？！」


『お兄ちゃんは大丈夫』




お兄ちゃんの恋愛観なんて、(ちゃらんぽらん過ぎて)参考にならないし、こんな話したら卒倒しそう。




「なんか聞かたいことあった？はしもっちゃんじゃ、戦力外だもんね」


『……まぁ、そんなとこです』




Aの部屋、お邪魔していい？と瑞稀くんが首を傾げる。


仲間外れにしないで！と騒ぐお兄ちゃんを一蹴して、瑞稀くんと私の部屋に向かった。




「で、どうしたの？」


『今日、好きな人いる？って聞かれて、答えられなくて……、その、好きな人が出来ない問題が深刻です』


「そんなこと？」


『死活問題なんです！』




高校生活二年目、そろそろ彼氏が欲しい。


放課後、彼氏と制服デートしたい！


制服がコスプレになるまで、あと二年しかない。




「猪狩くんは？よく制服デートしてんじゃん」


『あれはデートじゃない！』


「違うの？」


『うん、デートは恋人同士でするの！』




実際のデートの定義は知らないけど、私はそうだと思っている。




「へー、じゃあもし、俺とAが出掛けてもデートじゃないわけか」


『へ、私と瑞稀くん？そんな、恐れ多い……！』




瑞稀くんて二人っきりで出掛けるなんて絶対無理！


心臓が持たない。




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