Episode40 【健人side】 ページ40
久しぶりに訪れた大学内を、Aさんと並んで散策する。
いつもは学生で溢れているキャンパスも、さすがに年始は誰もいない。
どこも閉まっているかと思いきや、メインの建物から少し離れた棟は空いていた。
ここは主に少人数で行われるゼミや専門科目の講義などが行われる建物で、今日は一般の団体に一部屋使用されているようだった。
「ねぇ…私たちこの団体に関係ないのに入っちゃっていいの？」
心配そうにAさんが俺のコートを引っ張る。
「大丈夫でしょ。受付の人も部屋の中に入っちゃってるみたいで誰もいないし」
そう言うと俺は彼女の手を引き、同じフロアの別の部屋に忍び込んだ。
「あ〜懐かしい〜！私も学生の時はこうして講義受けてたなぁ〜」
固定式の椅子の座席を手で押して倒し、そこに腰かけるとAさんは心底懐かしそうに言った。
「Aさんが大学生だったのって、もう何年前だっけ？」
茶化して言うと、Aさんが頬を膨らませて俺を睨み付ける。
「健人くん、意地悪っ」
「ごめんごめん！でもそんな昔じゃないでしょ！」
慌ててフォローする。
「昔だよ！もう卒業してから７年経つんだよ。健人くんはまだついこの間卒業したばっかりだもんね。若いなぁ…」
最後の言葉は、俺に言うより何だか自分自身に言っているような口ぶりだ。
「ま、俺は結局人より１年長くいちゃったしね。でも…」
言いながら俺はAさんの隣に腰かける。
「こうしてAさんと一緒に講義受けてみたかったな。講義中に喋ると怒られるから、ノートで筆談したり、Aさんの寝顔見たりとかして」
「何言ってんの！私は講義中に寝たりなんかしないもん…。むしろ私の方が寝ちゃった健人くんの顔に落書きとかしちゃうから」
「え〜！それはダメ！だって俺、アイドルだもん」
他愛ない会話だけど、こんな風にゆっくり２人でいられることが嬉しい。
企業や大学が正月休みになると、大学周辺は一気に人がいなくなり、閑散とする。
いつもだったら絶対に２人で堂々と歩くなんてできないけど、この時期だけは特別だ。
(このままずっと静かに２人でいられたらいいんだけどな…)
“健人くんのまぶたに油性マジックで目を書いて、寝てても起きてるみたいに見えるようにしてあげる！！”って無邪気に笑いながら話す彼女を見ながら、そんなことを考えていた。
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☆ - 25【ハットを頭に載せたりしながら】→乗せたりしながら、 30【手にあるものを載せ】→乗せ、 42【アップルパイの載った皿を】→乗った皿を だと思います (2019年7月4日 18時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 更新ありがとうございます。この先の展開がすごく気になります（笑）頑張ってください〜！ (2018年2月13日 19時) (レス) id: cf3c548632 (このIDを非表示/違反報告)
Sexy Rose(プロフ) - ゆらさん» ゆらさん、お待たせしております(^^; これからもできるだけコンスタントに更新していきたいと思います。よろしくお願いします！ (2018年2月7日 0時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 更新待ってました！これからも頑張って下さい。 (2018年2月6日 21時) (レス) id: b82b4b4cec (このIDを非表示/違反報告)
Sexy Rose(プロフ) - 愁さん» 愁さんコメントありがとうございます。細かいところまでしっかり読んでいただいて、ご指摘ありがとうございます！早速修正しました。ありがとうございました！！ (2018年1月29日 3時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sexy Rose | 作成日時：2018年1月22日 19時
