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〜夢主side〜


『…ただいま』


類「おや、帰ってきたんだね。 おかえりAくん」


……駄目だ。

まともに目を合わせられない。

そんな私を見て、神代さんが微笑んだ気もするけど

確認できる余裕なんて無かった。

神代さんの横を通り過ぎて、まっすぐに自室へ向かう。

ガチャ、とドアの閉まる音を聞いてから鞄を投げ捨てる。

そのまま倒れるようにベッドに倒れ込んだ。


『はぁ…今日これからどうしよう…』


告白された相手が帰る家に居る、というのは

気まず過ぎる空間だ。

かと言って以前みたいに世間話を交えた微笑ましい会話はできない。

どうしよう…何で今日告白したんだ神代さん……!


類「Aくん」


『!? はっ、はいっ!』


ドアの向こう側から神代さんに呼ばれて、

咄嗟に身体を起こす。


類「ご飯の時間だけど…どうするんだい?」


『あー…えっと、今日は、1人で食べます…』


失礼過ぎる…。

ただ気まずいってだけなんです神代さん…。

嫌いって訳じゃないけど、食べてる間の沈黙をどうするって話。


類「分かったよ、じゃあ取りに来てくれるかな」


これはしょうがない。

取らせるのはもっと失礼だし、自分で取りに行かなきゃ食べられない。

ドアを開けて、やっぱり目を合わさずにリビングへ向かう。

ご飯が置いてある机の上から食器を取る、その一瞬。


『っ!』


背中に感じた温かい温度と、回ってくる手。

肩に神代さんの顔がある。


『え…ちょ、神代さん…っ』


類「……Aくん、好きだよ」


その言葉に反応して、思わず神代さんの方を見た。

私の行動を予知していたように、目が合った。

口角を上げて、にやりと悪い笑みを浮かべる。


類「やっと目を合わせてくれたね」


『離して、下さい…神代さん、』


類「せっかく捕まえたのに、離す訳が無いだろう?

  …今日の放課後、司くんと寧々に話しただろう」


『……話して良いって言ったじゃないですか』


類「フフッ、確かにそうだね」


抱き締められた状況で話せている私を褒めて欲しい。

本当は、顔が今まで体験したどんな時より赤くなっているはずで

今にも爆発しそうなんだ。


類「……Aくん」


返事ができない。

頭が回らなくなりそうだ、世界がくるくる回っている。

悪魔の微笑みを浮かべた神代さんは、私の頬に触れて囁いた。


類「顔が赤いね、A」


────


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設定タグ:プロジェクトセカイ , 天馬司 , 神代類   
作品ジャンル:恋愛
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ramune - めいさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしてくれて嬉しいです。僕も親の前だと一人称変えてますよ笑 (2023年3月4日 23時) (レス) @page35 id: a4dd4a8261 (このIDを非表示/違反報告)
めい - まじで最高です!26話キュン死とかしそうてか僕もネット上では一人称僕ってゆってます!リアルは引かれるのでやめてますけどねw (2023年2月26日 15時) (レス) id: 1a8f013e22 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - もぐもぐさん» ぎゃー!!ありがとうございます!!この作品にそんな時間を掛けて下さるとは…!次回作も内容しか思いつきません!ありがとうございます! (2022年12月23日 19時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐ - 今日話全部読んでみました.....!!!マジめっちゃ話面白くて、一気に読んじゃいましたwほんといい話でした。感動だぁ!もうずっとドキドキしっぱなしでしたwまた楽しみにしてます! (2022年10月15日 23時) (レス) @page46 id: 813177f50b (このIDを非表示/違反報告)
ramune - 海月ルナさん» ありがとうございます申し訳ございません…!! (2022年10月4日 21時) (レス) @page42 id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ramune | 作成日時:2022年5月11日 19時

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